文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相が4日、タイ・バンコクで約11分間、歓談した。韓日首脳の対話は、昨年9月の米ニューヨーク以来13ヵ月ぶり。長期化している韓日対立の突破口が開かれるという観測も慎重に流れている。
「東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(韓中日)」首脳会議に参加するためにタイを訪問中の文大統領は同日午前、会議場の「ノボテル・バンコク・インパクト」の首脳待合室で安倍氏と会った。当初予定になかった同日の対話は、文大統領がホテルで安倍氏を見つけて近付き、座って話そうと促して実現した。両首脳は同日午前8時35分から46分までの11分間、通訳を介して話を交わした。
高ミン廷(コ・ミンジョン)大統領府報道官は記者会見で、「両首脳は韓日関係が重要との点で一致し、韓日関係の懸案は対話を通じて解決すべきだという原則を再確認した」とし、「最近、両国外交部の公式チャンネルで行われている協議を通じて、実質的な関係の進展が引き出されることを望んだ」と明らかにした。文大統領が「必要があれば高位級の協議も検討したい」と提案すると、安倍氏は「あらゆる可能な方法を通じて解決方法を模索するように努力しよう」と応じたという。両首脳が今後正式な韓日首脳会談開催の可能性を示唆したのだ。両首脳は12月に中国で開かれる韓中日首脳会談に参加する予定だ。
大法院(最高裁)の元徴用工賠償判決後、両国関係が急速に冷え込み、両首脳間にも1年以上、冷気流が流れた。6月に大阪で開かれた主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議の時も、両首脳は会ったものの7秒間握手を交わしただけだった。しかし、李洛淵(イ・ナクヨン)首相が天皇即位礼の特使として日本に行き、先月24日に安倍氏と会談して文大統領の親書を手渡し、その11日後、歓談が実現した。
日本の輸出規制強化や23日午前0時に失効する韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)など両国の具体的な懸案については話し合われなかったという。韓日対立の核心である元徴用工問題についても両国の意見の相違は縮まらず、日本は同日の対話については原則的な立場を示した。日本政府は、歓談後に報道資料を出し、「安倍首相から、二国間の問題に対する我が国の原則的立場をしっかりと伝えた」と明らかにした。しかし、同時に両首脳が会ったことで韓日対立の解決を議論する動きに弾みがつくという期待も出ている。高報道官は、「(首脳間)対話を通じて韓日関係を解決できることを期待する」と述べた。
韓相準 alwaysj@donga.com