「いくらだったらボラスさん(柳賢振の代理人)来てもらえるのかな(笑)」
19日、締めのメニューをこなしていた忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)のハンファ2軍の練習場にサプライズ訪問をしたロサンゼルス・ドジャースの柳賢振(リュ・ヒョンジン=32)にチョン・ミンチョル団長は、笑顔で迎えながら「パパになるね。おめでとう」と声をかけては、すぐ下心(?)を漏らした。昨年、10年ぶりのポストシーズン進出を果たしたが、今季に再び9位に転落し、新たな躍進を夢見ているハンファは、KBOリーグで通算98勝52敗、防御率2.80を記録した柳賢振のような「大型先発」の補強を切実に必要としている状況だ。
シーズン終了で自由契約選手(FA)になった柳賢振は、メジャーリーグの30球団だけでなく、柳賢振をポスティングシステムを通じてメジャーリーグに進出させたKBOリーグの古巣ハンファとの契約も「理論的」には可能だ。柳賢振は今季に14勝5敗を記録し、メジャーリーグ全体で防御率1位(2.32)になるなど最高のシーズンを送っており、国内への復帰などとても考えられるものではないが、最近団長に就任しFA市場への参入を宣言したチョン氏としては、柳賢振の前で気概を見せたつもりなのだろう。柳賢振とチョン氏は古き同僚でもある。師弟関係でもあり、チョン氏がテレビ局の野球中継の解説委員を務めたとき、柳賢振に一生の伴侶となったアナウンサーのペ・ジヒョンさんを紹介した特別な縁がある。来年、柳賢振はパパになる。
柳賢振の予定になかった瑞山へのサプライズ訪問も、そうした縁が働いた。柳賢振は同日、チョン氏はじめハンファのハン・ヨンドク監督らとも挨拶し、選手たちの練習を見守った。名誉回復のために瑞山で汗を流しているイ・ヨンギュは、柳賢振を見かけて「早くユニフォームに着替えてきてよ」とジョークを投げるなど雰囲気も和気あいあいだった。柳賢振がメジャーリーグに進出した後の2013年に開場した瑞山練習場を初めて訪問した柳賢振も「(6年が経ったのに)まだ顔見知りが多い」と言って選手たちに会った感想を語った。
メジャーリーグで5年ぶりに二桁勝利を挙げるなど実りのあるシーズンを過ごした柳賢振は、14日に帰国した。最近テレビの撮影や個人的なスケジュールをこなしている柳賢振は、来月から個人トレーニングを始める予定だ。
過去に「引退はハンファでしたい」と話していた柳賢振は、オフシーズンには必ずチャン・ミンジェやイ・テヤンらハンファの後輩たちを連れて個人トレーニングを実施しながらノウハウを教えるなど古巣への特別な愛情を見せている。柳賢振のサプライズ訪問が、成績不振で寒い冬を過ごしている古巣に久々に温風を吹き込んだ。
金培中 wanted@donga.com