Go to contents

金正恩氏、年内に米との交渉が実現しなければ年明けに「ICBMカード」可能性

金正恩氏、年内に米との交渉が実現しなければ年明けに「ICBMカード」可能性

Posted December. 05, 2019 09:17,   

Updated December. 05, 2019 09:43

한국어

2月のハノイでの米朝協議決裂後も親密さをアピールしていたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、互いに武力示威の可能性を示唆し、韓半島の緊張が高まっている。年内に米朝対話が再開されない場合に北朝鮮が出す「重大措置」の程度によって、米朝非核化協議の流れが続くのか、あるいは壊れるのか、推し量ることができる。

●正恩氏、白頭山登頂と全員会議カード、同時に出して対米圧力

トランプ氏が3日(現地時間)、2年3ヵ月ぶりに正恩氏のことを「ロケットマン」と呼び、北朝鮮に対する武力使用の可能性を明らかにしたことを受け、北朝鮮は直ちに対抗した。正恩氏は49日ぶりの白頭山(ペクトゥサン)白馬登頂の報道を通じて、年末までに米国の譲歩がない場合、より強硬な路線を選択することを示唆した。4日、労働新聞によると、白頭山を訪れた正恩氏は、パク・ジョンチョン軍参謀長や各軍種の司令官、軍団長ら軍幹部と共に馬に乗って白頭山の抗日革命跡を訪れた。先の白頭山登頂では、妹の金与正(キム・ヨジョン)党宣伝煽動部第1副部長が同行したが、今回は夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏と白頭山を訪れた。随行員らと焚火にあたった場面もあった。ある北朝鮮問題専門家は、「白頭山の抗日跡を見て回って対米抗戦の意志を強くしたのだろう」と話した。

正恩氏は同日、労働党中央委員会第7期第5回全員会議が今月下旬に開かれることを公開した。4月10日に開かれた第4回全員会議で正恩氏は、「自力更正を繁栄の宝剣として握り締めなければならない」とし、「自力更正」を25回も強調した。2日後に開かれた最高人民会議第14期第1回会議の施政演説では、「年末までは忍耐心を持って米国の勇断を待つ」と述べた。

このため、年末までに米朝実務協議が開かれず、全員会議が8ヵ月ぶりに開かれることになれば、強力な対米、対韓非難に続き挑発に出る可能性が提起されている。世宗(セジョン)研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)研究企画本部長は、「北朝鮮は米国の交渉態度と韓国の北朝鮮に対する態度を強く非難し、非核化協議の中止と核保有国地位を強める考えを明らかにする可能性が高い」と見通した。

●来年初めICBM発射の可能性まで提起

正恩氏が、ハノイでの米朝協議の決裂に続き、再び米国との年末交渉に失敗する場合、武力行動に出る可能性が高い。正恩氏は「年末期限」を明らかにした4月の施政演説でも、「米国の対朝鮮政策が露骨になればなるほど、われわれの行動もそれに応えることになる」と述べた。4日、リ・テソン外務次官(米国担当)の談話を通じて、「クリスマスのプレゼントは米国が決めよ」とし、異例にも具体的な時期まで特定して相応の措置を予告した。

専門家たちは、年末の全員会議、来年の新年の辞を通じて、非核化に関する「新しい道」を明らかにし、これを後押しする武力行動に出ると見ている。コリア・ソサエティーのスティーブン・ノーパー上級研究員は、「来年の正恩氏の誕生日の1月8日を機に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性があり、北朝鮮はこれを宇宙開発用だと説明するだろう」と見通した。トランプ氏の一般教書演説まで見守った後、2、3月に挑発に出る可能性も提起されている。

緊張が高まっている米朝の状況について、大統領府は4日、特に立場を出さなかった。鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は同日、「全軍主要指揮官会議」の冒頭発言で、「北朝鮮が軍事活動を増強しており、韓国軍は注視している」と述べた。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、国立外交院のセミナーでの基調演説で、「北朝鮮が現在危険な状況のように見えるかもしれない」とし、「問題解決に向けて引き続き対話と外交的解決策を追求し、軍事的防衛態勢と準備態勢で後押ししなければならない」と強調した。また、「いかなる状況でも韓半島で戦争が発生することはないだろう」とし、事前に配布された演説文になかった発言を追加した。


黃仁贊 hic@donga.com · 孫孝珠 hjson@donga.com