室内空気質への関心が高まり、粒子状物質以外の細菌、悪臭、有害化学ガス(VOCsなど)、二酸化炭素、ラドンなどの汚染源を除去するための多くの機器が市販されている。その中でも、健康に直接影響を与える細菌の場合、さまざまな製品が優れた効果を主張しており、消費者はこれを信じて、室内空気質の管理を特定の機器に任せてしまうことがある。しかし、多くの製品は、効果が検証されていないことが多く、たとえ検証された場合でも、実験室と実生活の違いを克服できず、実際効果を見られない場合がほとんどである。
細菌は、直接的な接触のほか、患者が滞在した場所や使ったものを通じても感染の危険性がある。これは、ウイルスの生存力と関連があるが、幸いなことに、ほとんどのウイルスは、空気中で5分以上生存できない。家に入ると、すぐ手の洗浄を強調するのも、このような理由からだ。しかし、冬に流行するインフルエンザウイルスは、空気の泡の形で何時間も浮遊しながら生存し、特定のウイルスは、72時間まで生存することもある。この場合、密閉された室内空間は、安全地帯ではなく、むしろ多数が一度に感染する感染経路となる。
室内空気汚染において最も効果的な解決策は換気だ。換気により、室内に蓄積されたウイルスを迅速に吹き飛ばすことができる事実を知らない人が多い。換気によって得る健康上の利点は、ウイルス除去のほかにもさらにある。換気は、ウイルスだけでなく、密閉された室内で悪化しやすい二酸化炭素の濃度やラドン、VOCsなど、室内空気質の低下の要因はもとより、悪臭まで解決できる。
また、冬場は、室内温度に気を使いすぎて、湿度を見逃しやすい。湿度が下がると、鼻と気管支粘膜内の繊毛の運動性が弱くなって、ウイルスやほこりに対する抵抗力が低下する。低くなった室内湿度を最も早く適正水準にする方法も、換気をすることだ。しかし、このような換気の効果は、適切な換気方法を守る場合にのみ、上記のような利点を得ることができる。
換気は1日3回、1回に10分以上しなければならない。できるだけ両側から風が吹き込むように、窓やドアを同時に開ける必要があり、時間帯は朝と夕を避けて、昼の時間がいい。夜明けと夜遅くは、大気の循環が円滑できず、汚染された空気が地上に降りてくるからだ。特に高濃度粒子状物質の発生時は換気をためらう人が多いが、このようなときも換気をするほうがより良い。ただ、このような場合は、換気後に機械式換気装置を通じて、適切な室内空気質と温度、湿度を維持してこそ、健康を保つことができる。冬の場合、室内温度は18〜20度、湿度は50%前後が適切である。
私たちは、金魚の水槽の水をきれいにするために、フィルターや酸素発生器、様々な薬品などを入れるが、水槽の水を最も迅速かつ簡単にきれいにする方法は、新しい水を入れるだろう。このように密閉された空間の汚染した空気を最も賢明に解決する方法も、換気で新しい空気に入れ替えることだ。もっと多くの国民が換気の重要性を認識し、これを適切な方法で実践して、この冬を健康に過ごすことを願う。
キム・ソンギョン記者 tjdrud0306@donga.com