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三星電子、中国バイドゥのAIチップを量産へ

三星電子、中国バイドゥのAIチップを量産へ

Posted December. 19, 2019 07:53,   

Updated December. 19, 2019 07:53

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中国大手のインターネット検索エンジン企業、百度(バイドゥ)の人工知能(AI)チップを三星(サムスン)電子が量産する。三星電子は18日、14ナノ(ナノは10億分の1)プロセスを基盤とするバイドゥのAIチップ「KUNLUN」を来年初めから量産する計画だと発表した。TSMCなど台湾のファウンドリー(半導体受託生産)に依存していた中国マーケットから出た初の主要顧客だ。

半導体業界の関係者は「ファーウェイ、アリババなど中国半導体設計会社(ファブレス)は主にTSMCなど台湾のファウンドリーと密接な関係にあったが、その高い参入障壁を破って三星がバイドゥのような超大手メーカーとの契約に漕ぎ着けたことの意味は決して小さくない」と語った。

バイドゥの「KUNLUN」(818–300、818–100)はクラウドからエッジ・コンピューティングに至るまで様々な分野に活用できるAIチップだ。両社は本製品の開発段階から緊密に協力してきた。三星関係者は「バイドゥ独自のアーキテクチャー‘XPU’と三星電子の14ナノプロセスの‘I-Cubeパッケージング技術’のシナジー効果によって高性能を実現できた」と説明した。

三星電子は高性能コンピューティング(HPC)に最適化したファウンドリーソリューションを適用し、これまでのソルーションに比べ消費電力と電気信号の品質を50%以上向上させた。チップに信号が伝達されるときに発生するノイズを改善することで電圧を一定に保ち、回路はさらに安定的に駆動するという三星側の説明だ。

バイドゥでAI半導体開発を総括する歐陽健(オウ・ヤンジェン)主席アーキテクトは、「KUNLUNは高い性能と信頼性を目指した挑戦的なプロジェクト」とし、「三星のHPC向けファウンドリソルーションがなかったら狙った通りの結果は得られなかった」と語った。

三星電子はバイドゥとのコラボレーションを踏み台に事業領域をモバイル向け半導体からAI、HPC、クラウドなどへと拡張させる計画だ。三星電子DS部門ファウンドリー事業部のイ・サンヒョン常務は「今後、エコシステムによる設計支援、次世代パッケージング技術など総合ファウンドリソリューションを提供する」と語った。三星の中国市場の攻略は2030年グローバルシステム半導体1位達成に向けて好材料になる見込みだ。

市場調査機関のトレンドフォースによると、今年10−12月期、ファウンドリー市場での三星電子マーケットシェアは17.8%で、1位のTSMC(52.7%)との格差は大きい。しかし、同期三星電子ファウンドリーの売上は昨年同期比約19.3%増加した34億7000万ドル(約4兆568億ウォン)と予想され、来年はさらに増えるものと見込まれる。業界関係者は「三星が来年、7ナノ極端紫外線(EUV)プロセス開発を本格化したら三星の技術力は一層TSMCの先を行くことになる」と語った。


柳根亨 noel@donga.com