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金広鉉、挫折と試練を乗り越えてメジャー進出実現

金広鉉、挫折と試練を乗り越えてメジャー進出実現

Posted December. 19, 2019 07:53,   

Updated December. 19, 2019 07:53

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白いユニフォームの上着に印字された赤色の背番号「33」に赤い帽子。似たような雰囲気のSKのユニフォームを着て10年以上をKBOリーグのマウンドに君臨した彼に、新しいユニフォームは全く違和感がなかった。これからは、韓国リーグで見せた来た実力を発揮するだけだ。

金広鉉(キム・グァンヒョン=31)がメジャーリーグの強豪セントルイス・カージナルスと手を組み、念願の夢を叶えた。セントルイスポスト・ディスパッチは18日、「セントルイスが金広鉉と2年800万ドル(約93億4000万ウォン)で契約した」と報じた。同日、ジ・アスレチックは「金広鉉が毎年成績に応じたインセンティブとして最大150万ドルを獲得することができる」と伝えた。2年間、最大で1100万ドルの契約だ。2016年から2年間、セントルイスでホームファンに好印象を残した呉昇桓(オ・スンファン=三星)と同じ待遇だ。

この日の記者会見で、終始笑みを隠せなかった金広鉉は、「物凄く楽しみだし、胸が騒ぐ。2020年は本当に重要なシーズンになる。先発で投げるのがベストシナリオだが、チームが必要とするポジションで必要とする選手になることが第一の目標だ。与えられた役割を全うしたい」と語った。

ナショナルリーグ優勝だけで19回、ワールドシリーズ(WS)制覇11回のセントルイスは、ポストシーズン(PS)に進出すると、戦力以上の力を発揮し、「秋のゾンビ」と呼ばれる強豪だ。2019年はナ・リーグ中地区1位で4年ぶりにPS進出を果たしたが、WS優勝チームのワシントン・ナショナルズに4連敗を喫した。左腕で先発の経験が豊富な金広鉉は、マイルズ・マイコラス、ジャック・フラハーティ、ダコタ・ハドソンらと共に先発陣の一角を担うと予想される。

順調だった柳賢振(リュ・ヒョンジン=32)とは違い、「投手2号」としてポスティングシステムを通じてKBOリーグからメジャー移籍が決まった金広鉉の大リーグ挑戦記は曲折もあった。2014年シーズンを終えて初めてメジャーリーグに挑戦した金広鉉は、当時最高額(200万ドル)を提示したサンディエゴ・パドレスと個別交渉を行ったが、年俸などで歩み寄れず、結局夢を叶えることはできなかった。

しかも2016年のシーズンを終えた後、肘手術を受けてSKと4年間の自由契約選手(FA)契約を結び、大リーグへの夢は遠のくかのように見えた。負傷から再起しなえればならなかった上、FA契約の期間満了後になると、米国舞台に挑戦できるのは数え年で34歳になってからのことになるからだった。

左肘にV字型の20センチほどの手術の痕が残っている金広鉉は、リハビリ中に黙々と汗を流した。KBOリーグ優勝リングを入れたケースに肘から出た骨のかけらを一緒に入れて、何度も確かめながら臥薪嘗胆した。2018年シーズンに復帰し、同年の韓国シリーズで時速154キロの剛速球でチームの優勝に貢献した金広鉉は、2019年シーズンは「管理モード」なしに17勝6敗、防御率2.51で2010年以降9年ぶりに自身の最多勝利タイを記録しながら完璧に復活した。シーズン序盤からの異例の活躍ぶりを観察するため、メジャーリーグのスカウトたちが大挙球場に駆けつけた。

元所属チームのSKの大局的な決断も欠かせない。チーム優勝のため、契約期間が残っていた金広鉉を必要としていたが、SKは金広鉉のメジャー挑戦を許可し、30代序盤の年で夢を果たすことができた。

金広鉉も、球団への感謝の言葉を忘れなかった。記者会見の終盤に、自分で用意した「サンキューSK」と書かれた札を持ち出した金広鉉は、「所属チームの許可がなかったら、この席はなかっただろう。SKには本当に感謝する」と感激そうに語った。


金培中 wanted@donga.com