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文大統領、親文支持層を脱して国民全体を見よ

文大統領、親文支持層を脱して国民全体を見よ

Posted January. 01, 2020 07:53,   

Updated January. 01, 2020 07:53

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12月30日、首席・補佐官会議で、「歴代最低の法案処理率で植物国会という汚名をきせられ、国会先進化法まで無力化する見苦しい姿が再演されている」と述べた。選挙法と高位公職者犯罪捜査処(高捜処)法をめぐって与野党が激突し、混乱した国会を批判したのだ。しかし、文大統領が対岸の火を見るかのように国会のせいにする状況ではない。

選挙法、高捜処法強行処理の過程で、大韓民国の議会民主主義は深刻な退行を強いられた。与党は、文大統領の権力機関改革の第一号公約である高捜処法の処理のためにあらゆる手を使った。野党第一党を排除して群小野党を引き込んで法的根拠のない「4+1」協議体を作り、群小野党に比例代表の議席を増やす選挙法をプレゼントする闇取引をした。500兆ウォンを超える国家予算も終盤に「4+1」密室交渉で調整した。このすべての過程に大統領府の見えない圧力が作用しただろう。

さらに、高捜処法採決の直前、「4+1」内部の離脱票が憂慮されると、与党は「農・山・漁村地域の代表性を最大限保障する方向で選挙区を画定する」という合意書まで作成した。票の取り締まりのために今後、選挙区画定の時に群小野党候補の選挙区を支援すると約束したのだ。事実上の買票行為と言わざるを得ない。交渉団体中心の与野党交渉の枠を破って、汎与党圏の「4+1」体制で独走するという宣言に相違ない。

文大統領は2016年、野党代表時代、「選挙法は競技の規則だ。一方的な強行や職権上程で議決された前例は一度もなかった」と断言した。今回の「4+1」選挙法処理の過程で、野党第一党は徹底して交渉から排除され、国会議長の事実上の職権上程で選挙法が通過した。与野党の攻守が変わったからといって、悪い先例を残すことがあってはならない。

もはや文在寅政権は執権4年目を迎えた。国民に一つずつ政策成果を見せなければならない時だ。交渉の通念を破った「4+1」選挙法、高捜処法の強行処理は、国民全体ではなく親文支持者の要求だけ応じるものだ。支持層だけを結集すれば総選挙で勝算があるという政治的計算があるようだ。しかし大統領は、政派の利益と支持者のスポークスマンの役割を越えて、国論統合のリーダーシップと評価されなければならない。支持層だけを見るのではなく、滔々たる民意の底流を読まなければならない。

 


チョン・ヨンウク記者 jyw11@donga.com