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中国夢を脅かす新世代の登場

Posted January. 20, 2020 08:52,   

Updated January. 20, 2020 08:52

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昨年12月と今月、台湾の大統領選挙を取材するために台北を訪れた。現場で会った20代の台湾の若者たちは、自分を「天然獨」と描写した。子供の頃から、台湾は独立した主権を持つ国だと思って育ったという意味だ。大学4年生の程(22)某さんは、「だから私たちは、中国が提起した一国二制度の統一案を受け入れることができない」と語った。

現地で出会った台湾の2030世代は、自分を中国人ではなく台湾人だと思った。彼らの民意が、反中性向の蔡英文総統再選の原動力だった。1980年代に生まれた若者たちを、既成世代と変わらせたのは台湾の民主化だった。

1980年代の民主化運動を経て、1996年に総統直接選挙制が導入される前に、台湾は中国から渡ってきた外省人が柱となった国民党が長期間政権を握っていた権威主義社会だった。1970年代以前に生まれた「旧世代」は、中国と統一しなければならないという「天然統」「當然統」が多い。一方、子供の頃から民主化を経験した若者たちは、台湾人としてのアイデンティティが強い。自分は中国人なのか台湾人なのか、中国との統一が必要か独立すべきかと混乱を経験する40代以上の台湾人たちとは違う。台湾で会った専門家は、「若者たちは、かつては就職など、自分の問題だけに関心を持っていた。しかし、自分たちの未来を、中国との統一を希望する退職した旧世代に任せてはならないという危機意識が投票ブームへとつながった」と主張した。

台湾の大統領選挙が蔡総統の圧勝で終わると、台湾のメディアは、「彼らは今や天然獨から天然臺へと変化している」と分析した。彼らは、「すでに台湾は主権国家であるため、あえて独立を追求する必要がなく、現在の台湾それ自体で現状を維持することを望む」ということだ。台湾統一に必要であれば武力も排除しないという習近平中国国家主席とは正反対側に立っているのだ。

昨年、香港のデモ現場でも天然獨とほぼ同じ新しいミレ二アル世代の出現を目撃した。香港中文大学学生のチャン某さん(21・女)は、記者に対して、「香港が中国に返還された1990年代に生まれた私たちは、100%香港に属する第一世代だ」と話した。英国の植民地ではなく、「中国とも異なる体制の保障を受ける自由な社会、香港で教育を受けて育った私たちは、中国人ではなく香港人だ」という話だった。

「中国建国100周年の2049年までに世界大国になる」という中国夢は、一国二制度の成功も含まれている。香港とマカオの一国二制度を土台に、台湾も統一するという構想だ。しかし、従来の世代とは全く異なる価値観を持つ台湾の天然獨、香港のミレ二アル世代が新しい変数として浮上したことを世界は目撃した。現場で、彼らが中国人のアイデンティティを拒否することは一時的現象ではないことを確認できた。彼らは時間が経つにつれ、台湾と香港の柱の世代になるだろう。

台湾と香港で会った専門家は、「中国が新世代の登場という変化を直視できないまま、これを中国への対抗と挑戦とだけ見て強硬対応に乗り出して逆効果が出た、というのが台湾と香港の共通点だ」と指摘した。いかなる政治勢力でも、民心の変化を読み取ることができなければ、危機を経験するしかないということを改めて気づかせてくれる。


尹完準 zeitung@donga.com