トランプ米大統領が11月の米大統領選前に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談を推進することに線を引いたとされ、米朝非核化交渉の動力が消えつつある。大統領府はワンポイント韓米首脳会談などを通じて、トランプ氏を説得する方針だが、ホワイトハウスのムードを変えることは難しいという懸念が韓米外交関係者の間で広がっている。
大統領府関係者は11日、トランプ氏が大統領選前に米朝首脳会談を行わないと明らかにしたというCNNの報道を受けて、「ホワイトハウスと平壌(ピョンヤン)がそれぞれ計算しているようだ」とし、「米朝いずれも当分の間、具体的な動きを見せない可能性が高い」との見方を示した。
大統領府は当惑し、対策に苦慮している。政府内では韓米首脳会談が必要だという声も大きくなっている。最近、金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長とチェ・ジョンゴン大統領平和企画秘書官が米国を訪れ、ワシントンのカウンターパートと会合を行った。ただし、トランプ氏が再選キャンペーンに突入したため、大統領府は首脳会談の時期を悩んでいるという。
一部では、正面突破戦を宣言して、米国に「トップダウン」方式の交渉を求めてきた北朝鮮が、挑発を再開するかもしれないと懸念している。これと関連して、11日に民間航空追跡サイト「エアクラフト・スポット」によると、米海軍のP3C海上哨戒機1機が韓国の上空に飛んできた。北朝鮮の潜水艦基地(咸鏡南道新浦など)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の挑発の兆候を探知したという。
一方、韓米作業部会の会議に参加するために訪韓したアレックス・ウォン米国務省北朝鮮政策特別副代表は同日、チェ・ヨンジュン統一部政策室長に会って、政府独自の南北協力構想について議論した。
韓相準 alwaysj@donga.com