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「家を建てる時、クギ一袋ではなく53個のクギが必要と言う人」 クリス・エバンスが語る奉俊昊論

「家を建てる時、クギ一袋ではなく53個のクギが必要と言う人」 クリス・エバンスが語る奉俊昊論

Posted February. 13, 2020 07:49,   

Updated February. 13, 2020 07:49

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「彼は、家を建てる時は一袋の釘ではなく、53個が必要だと言う人だろう」

奉俊昊(ポン・ジュノ)監督(51)の映画「雪国列車」で「カーティス」役を演じたハリウッド俳優クリス・エバンスは、2013年のインタビューで奉監督の撮影方法についてこう語った。どのように撮影するかを正確に知っていて、すべてのカットを撮ったという意味だ。エバンスは、「二人が会話するシーンを撮る時は、一般的にフルショット(二人を共に映すこと)を撮って、私の方と相手の方でそれぞれクローズアップを撮るが、奉監督は1カットあたりに一つの方法だけで撮影した」と話した。彼が、「フルショットは要らないか」と尋ねると、奉監督は「要らない」と言い切ったという。エバンスは、「奉監督は、すでに頭の中にストーリーボードがあり、編集を終えた状態で撮影に入った。天才(borderline genius)ともいえる」と絶賛した。

雪国列車で縁ができた海外の有名俳優たちは、奉監督との作業は「ユニークで」「新鮮な」経験だったと口をそろえる。

雪国列車で下層民の反乱を鎮めた聖者「ギリアム」として出演したジョン・ハート卿は2014年、豪州メディアとのインタビューで、「ティルダ・スウィントンと撮影を終えた後、(奉監督のほかは)誰とも撮影したくないと口をそろえた。奉監督は、彼がスクリーンで見たいシーンだけを正確に撮った」と伝えた。

俳優たちは、格式に拘らず率直に疎通して共感する奉監督の性格を高く評価している。奉監督のペルソナと呼ばれる俳優の宋康昊(ソン・ガンホ)は、無名の舞台俳優時代だった1997年、とある映画の端役オーディションを受けて落ちた。すると当時、助監督だった奉監督が、彼に脱落理由を長文のポケットベルの音声メッセージに残したことは有名である。宋康昊は「あの時、すでに奉監督の映画に出演することを決心した」と明らかにした。5年後、彼らは「殺人の追憶」を一緒に作った。

映画「オクジャ」にも出演したスウィントンは、2013年に雪国列車の広報のために訪韓した際、「繊細ながらも権威が感じられる不思議なオーラを持つ奉監督は、人を惹きつける力がある。撮影現場では、頭の中に百科事典を入れて歩くように、すべての答えを知っていた」と語った。


金哉希 jetti@donga.com