朴仁妃(パク・インビ=32)は16日に終わった米女子ツアー(LPGA)のISPSハンダ・オーストラリアオープンで優勝を果たし、ツアー通算20勝に到達した。韓国勢で20勝を挙げたのは、通算25勝で引退したパク・セリ氏(東京五輪女子ゴルフ代表監督=43)以来2人目だ。
これを契機に米国のゴルフ専門メディア「ゴルフチャンネル」が、韓国の歴代最高のゴルフ選手を争うパク・セリとパク・インビを比較した。
記事は、「韓国で最高のゴルフ選手を選ぶことは、ケニヤで最高のマラソン選手をオランダで最高のスピードスケート選手を決めることと同じくらい至難の業だ」と書いた。
その上で「韓国でパク・セリの地位は、まるで聖職者に喩えられるほど絶大的」だとし、「引退後も、未だに尊敬される選手に位置付けられている」と評価した。
とくに韓国が通貨危機に見舞われた1998年の全米女子オープンで優勝し、韓国国民にプライドを持たせ、ゴルフを超えて韓国人の暮らしの中でやればできるという可能性を示したと報じた。
朴仁妃は、2016年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得し、パク・セリと比べられる地位に上がったと報じた。
朴仁妃がパク・セリ氏の1998年の全米女子オープン優勝の時のように、韓国で国民的な感動を与えたとは言えなくとも、五輪金メダルの偉業を達成した女子選手は朴仁妃だけであることがプラス要因だ。朴仁妃は、「五輪金メダルを契機に、ゴルフを知らない国民からも愛されるようになり、大きな光栄だ」と話した。
パク・セリ氏はLPGAツアー通算25勝のうちメジャー戦5勝、朴仁妃は通算20勝のうちメジャー戦で7勝を挙げた。とくに朴仁妃は、キャリア・グランドスラムを達成したのに対し、パク・セリ氏はシーズン最初のメジャー戦であるANAインスピレーションでの優勝がない。朴仁妃が通算勝利数でパク・セリ氏を超えるためには、さらに6勝を挙げなければならないが、すでに優勝の内容面では超えているという見方が出ている所以だ。
年間最優秀選手賞は、朴仁妃が2013年に一度受賞しており、新人賞はパク・セリ氏が1998年に受賞した。
平均ストローク1位はパク・セリ氏が2003年に韓国人選手では初めて達成し、朴仁妃は2012年と2015年に2度1位になった。賞金王は朴仁妃が2012年と2012年に1位になった。
LPGAツアーでの通算獲得賞金では朴仁妃が265大会で1568万3289ドルを獲得して全体4位(韓国勢では1位)だった。365大会に参戦したパク・セリ氏は1258万3713ドルで全体9位(韓国勢2位)だ。
パク・セリ氏がパイオニアとして韓国人選手の米国進出の扉を開いたのなら、朴仁妃はLPGAツアーに君臨し、「セリーキッズ」のトップランナーとして活躍した格好だ。
記事は、韓国ゴルフ界の関係者の話として、「パク・セリ氏と朴仁妃は、二人とも韓国ゴルフの発展に大変重要な人物であり、優劣を分けるのは困難だ」とし、「これは、まるで米国の初代大統領のジョージ・ワシントンと第16代大統領のアブラハム・リンカーンを比較して、どっちがもっと偉大なのかを問うようなものだ」と報じた。
姜泓求 windup@donga.com