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トランプ氏はのんき、ペンス氏は門外漢…米コロナ対応「総体的難局」

トランプ氏はのんき、ペンス氏は門外漢…米コロナ対応「総体的難局」

Posted March. 03, 2020 08:14,   

Updated March. 03, 2020 08:14

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態で、トランプ米政権の危機対応能力に対する批判が高まっている。2人の死者が発生し、感染者が続出しているにもかかわらず、再選を理由に根拠なく楽観していると非難されている。1日、米紙ワシントン・ポストは当局者約20人をインタビューした結果を基に、「政府内の混乱、リーダーシップの失踪、情報不足などが深刻だ」と伝えた。ある高位当局者は「完全なカオス状態」と吐露した。

 

トランプ氏が、専門医療関係者でない弁護士出身のペンス副大統領を新型コロナ対応の総責任者に任命したことをめぐっても失策と指摘されている。敬虔な福音主義キリスト教徒のペンス氏は、インディアナ州知事だった2015年、州内のヒト免疫不全ウイルス(HIV)発生事態を収拾できなかったと言われている。ペンス氏は医療専門家の注射針の交換勧告を拒否し、タバコとガンの関連性にも疑問を示したことがある。

野党民主党の支持率1位候補のバーニー・サンダース上院議員はツイッターに、「HIVが収束するよう祈るだけだった人を任命した」と辛らつに批判した。クリス・マーフィー上院議員(民主・コネチカット州)も、「科学を信じない人を責任者に指名したのは良い決定ではない」と加勢した。ホワイトハウスの一部で、外部から医療専門家を連れて来るという意見があったが、大統領が「政権の対応の失敗と見えかねず、忠誠心を信じることができない」と反対したという。

ホワイトハウスがペンス氏と別にデボラ・バックス国務省世界保健外交担当者を新型コロナ特別代表に任命したことも批判を受けている。指令塔のアレックス・アザー保健福祉省長官、ペンス氏、バックス特別代表まで責任者3人の「屋上屋を架す」状況になった。ミック・マルバニー大統領首席補佐官代行がペンス氏の指示を受けて、すべての意思疎通を副大統領室を通じてするよう各省庁に指示したことも、論議を呼んでいる。上層部ラインの顔色をうかがって、迅速な情報共有と正確な伝達が難しくなる恐れがあるためだ。

一部官僚の準備不足も非難されている。新型コロナ対応チームのメンバーである国土安全保障省傘下の市民権・移民局(CIS)のケン・クッチネリ局長代行はツイッターに、「コロナウイルスの拡散状況が整理されているオンライン地図をどこで探せるか」と質問した。

ワシントン州当局は同日、基礎疾患のある70代の男性がカークランドのある病院で亡くなったと明らかにした。前日に同じ病院で50代の男性が死亡している。米紙ニューヨーク・タイムズは2人の死者が出たことから、ワシントン州だけで市中感染で最大1500人が新型コロナにかかった可能性があると伝えた。このほかに重症の3人の患者もいるとされ、死者が増える可能性が排除できない。にもかかわらずトランプ氏は遊説先で、「新型コロナは奇跡のように消えるだろう」、「民主党の批判は政治的意図がある。作り話だ」とだけ主張している。

ペンス氏は同日、「トランプ政権が韓国全体ではなく大邱(テグ)にだけ国務省の渡航中止措置を発令したのは大統領の意向だった」と明らかにした。電撃的な入国禁止措置を実施した中国、イランとは違って、同盟である韓国に一種の配慮をしたという意味だ。ただし、アザー氏はFOXニュースに出演し、「全てがテーブルの上にある」とし、韓国全体を渡航中止地域に指定する可能性を排除していないことを示唆した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 ニューヨーク=パク・ヨン特派員 lightee@donga.com · parky@donga.com