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夏の終息論

Posted March. 07, 2020 08:32,   

Updated March. 07, 2020 08:32

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新型コロナウイルス感染症(COVID19)の恐怖が世界を襲っている。比較的COVID19の拡散をよく制御していた国内でも、新天地発の感染事例が全国的に起きて、爆発的な感染者の増加傾向を見せている。外部流入を防ぐべき第1段階を超えて、第2段階である地域社会への感染の様相を見せている。今回の事態の推移についての予測が各界各層であふれている中、目を引くのは、COVID19の「夏の終息論」である。

このような主張は、崔在旭(チェ・ジェウック)高麗(コリョ)大学予防医学教授が言及した実験と共に、急速に広がっている。崔教授は、「気温が4度、湿度が20%で、ウイルスは物体の表面で5〜20日間生存するが、実験条件を、気温が20度、湿度が40%に引き上げれば、ウイルスの生存力が10分の1に減るという研究結果がある」と、慎重に夏の終息論について言及した。同じコロナ系列ウイルスで、2003年の冬から流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)がその翌年の夏の7月に終息した事実も、このような主張に説得力を持たせている。

世論も、せっかく出てきた希望的な観測に爆発的な反応を見せている。一部では、コロナウイルスは熱に弱いので、ヘアドライヤーを使って、服やマスクに熱風を浴びせればウイルスが死ぬという生活のコツまで出回ったが、偽りであることが判明した。

しかし、COVID19の夏終息に先立って、春を気にしなければならないという意見もある。香港大学クイーンメアリー病院微生物学科の研究チームが2011年に発表した資料によると、COVID19と遺伝的に似たSARSウイルスが活動するのに最良の条件は、気温が22〜25度、湿度は40〜50%だという。この実験も、気温を38度、湿度を95%以上に条件を上げると、ウイルスが急激に消滅して、夏の終息論に説得力を持たせたが、最も活動しやすい条件を見ると、ピークはまだ来ていないのかもしれないという不安も一緒に生じる。

予測自体が無意味だという慎重論もある。マーク・リップシッチ米ハーバード大学感染症学教授は、「コロナウイルスが季節性を持っているのは確かだが、COVID19が同じ傾向を持っていると期待するのは禁物だ」とはっきりと一線を引いた。シンガポールの事例がこれを裏付ける。シンガポール保健部によると、現地の気温は日中は31度にまで上がるが、感染者数はすでに100人を超えている。

このように、専門家の意見すらさまざまである状況で、特定の意見を信じるよりは、個人衛生をよく守り、複数の人が集まる会合を避けるのが最も賢明な方法である。また、室内はできるだけ換気を頻繁にして、ウイルスが室内空気中に残らないようにするのがいい。COVID19は、主に飛沫(唾液)や接触を通して感染するが、特定の環境では、空気中に浮いていることもありうるからだ。英語の格言に、「天は自ら助くる者を助く」という言葉がある。格言の内容のように、誰彼無しに、個人衛生を徹底してウイルス終息に乗り出す時だ。天を見るのはその次のことである。


キム・ソンギョン記者 tjdrud0306@donga.com