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米CDC「ニューヨークでの感染拡大、米全土でも起きかねない」

米CDC「ニューヨークでの感染拡大、米全土でも起きかねない」

Posted March. 28, 2020 08:36,   

Updated March. 28, 2020 08:36

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26日(現地時間)、米国が中国を抜いて世界最大の新型コロナウイルスの感染国となったのは、△ドナルド・トランプ大統領の安易な現実認識、△保健当局の初動対処の失敗と脆弱な医療システム、△最大都市ニューヨーク中心のコロナウィルスなどが複合的にもたらした結果と分析される。

トランプ大統領は事態当初、「米国内のインフルエンザ死者だけで数万人だ」としながら、コロナウィルスのリスクを甘く見るような態度を取った。「暖かい4月にウイルスは死ぬだろう」「米製薬会社がすぐにワクチンを開発するだろう」などの性急な楽観論も提起した。

初動対処もずさんだった。米紙ニューヨークタイムズ(NYT)などは、今月初めまで疾病管理予防センター(CDC)の一日の検査能力は400件に過ぎず、一日に1万件を検査する韓国と大差を見せたと指摘した。事態初期に3000ドル前後の高価な検査費のせいで、疑いの患者が積極的に検査を受けていないことも事態を悪化させた。

世界最強国という名にふさわしくないずさんな医療体系も問題となっている。昨年、経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、米国の人口1000人当たりの医師数は2.6人で、ドイツ(4.3人)、フランス(3.2人)、OECD平均(3.4人)より少ない。看護師も7.86人で、ドイツ(12.9人)、英国(9.91人)、OECD平均(9.0人)を下回る。医療用品の不足も深刻だ。ニューヨークだけで少なくとも3万台の酸素呼吸器が必要だが、現在保有している台数は約8000台に過ぎない。

防疫がきちんと行われていない状態で、ニューヨークを中心に地域社会への感染が広がったことも事態をさらに深刻化させている。ニューヨーク州では今月1日に最初の患者が発生したが、25日ぶりに4万人に近い水準に急増した。州全体の人口(1950万人)が多くて人口密度が高く、今後も急増が続く可能性が高い。ビル・デブラシオ・ニューヨーク市長は、「市民の半分である約420万人が感染することもありうる」と憂慮した。

米紙ワシントンポスト(WP)は、ニューヨークのとある病院では、遺体を安置する霊安室が足りず、冷凍トラックを臨時の霊安室として使うことまで起きたと伝えた。36歳の女性看護師が発症から10日後の24日に死亡した事実が伝わり、医療スタッフの感染の懸念も高まっている。

専門家は、インフルエンザや他の病気と間違って診断を受けた患者、検査を受けていない死者などを勘案すれば、米国の実際の感染者ははるかに多く、患者急増は続くだろうと予想した。NYTは、CDC非公開の資料を引用して、最悪の場合、1億6000万〜2億1400万人の米国人が感染し、20万〜170万人が死亡しかねないと予想した。アン・シューチャットCDC首席副局長は、ザ・ヒルに、ニューヨークのコロナウィルス事例は今後数週間、全米の他の都市でも発生する可能性があるとし、「ニューヨークで目にしているものは、他の地域に何が起こるかを知らせる真なる警告だ」と明らかにした。最近、患者数が急増したイリノイ州シカゴ、ミシガン州デトロイト、ルイジアナ州ニューオーリンズなどが挙げられる。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com