新型コロナ死者「米国内で２０万人も」、米高官が呼びかけ

トランプ米政権が新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために外出制限などの厳重な対策をとった場合でも米国内での死者が最大２０万人に達するという予測が出された。ワールドメーターズによると、３１日現在の米国の感染者は１６万４２５３人、死者は３１６７人。死者は近く３位の中国（３３０５人）を上回ると予想される。

ホワイトハウスの新型コロナ対策顧問を務めるデボラ・バークス氏は先月３０日、ＮＢＣ放送に、「われわれがほぼ完ぺきに対応すれば、（新型コロナの）死者は１０万～２０万人の範囲に収まるだろう。何もしなければ１６０万～２２０万人が死亡する可能性がある」と明らかにした。バークス氏の発言に影響を与えたワシントン大学の報告書によると、米国の感染者増加傾向は４月１５日にピークになり、１日の死者数が２２７１人に達すると予想される。その後、感染者の増加傾向が鈍化しても、８月４日頃に累計死者数は最小８万２１４１人、最大１６万２０００人に達すると予想される。

米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は３０日、「秋にさらなるコロナウイルスが発生する可能性が高い」と見通した。トランプ氏も、「夏にウイルスが消えた後、再発する可能性に備えている」と明らかにした。

　

５０州のうち２４州で１０００人以上の感染者が出た。特に、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットの３州の感染者だけで８万５０００人を超え、米全体の半数を占めている。最大被害地域のニューヨークのクオモ州知事は同日、海軍の病院船「コンフォート」の前で記者会見を開き、米全域の医療スタッフに支援を要請した。クオモ氏は、「今ニューヨークにきて助けてほしい。１００万人の力が必要だ」と訴えた。約８万人の州の医療人員だけでは急増する感染者に耐えられないということだ。

米食品医薬品局（ＦＤＡ）は同日、「Ｎ９５」マスク、消毒装備の緊急使用、１５分で結果が確認できる新型コロナウイルスの検査技術を承認した。フォードやＧＥヘルスケアは、「向こう１００日間で人工呼吸器５万台を生産する」と明らかにした。

　

外出制限などの規制も次々に発表された。首都ワシントン近郊のメリーランドとバージニアの両州は同日、外出禁止令を出した。違反した場合、最大５０００ドルの罰金、９０日間の拘留が可能だ。外出禁止令を下した州は２８州に増え、３億３０００万人の米国人のうち約４分の３が外出を制限された。まだ外出禁止令を出していない２２の州の知事も圧力を感じていると、米政治ニュースサイト「ポリティコ」が伝えた。

米紙ワシントン・ポストは、シカゴ大学の研究結果を引用して、外出制限で１００万人以上の人の命を救うことができ、これによる経済的価値は約８兆ドル（約９７５２兆ウォン）にのぼると予想した。外出制限を止めれば、深刻な経済的費用が伴うと付け加えた。


ワシントン＝イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com