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一線を超えた防疫逸脱と緩んだ社会的距離、苦しくてももう少し手綱を引き締めよう

一線を超えた防疫逸脱と緩んだ社会的距離、苦しくてももう少し手綱を引き締めよう

Posted April. 06, 2020 08:17,   

Updated April. 06, 2020 08:17

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政府は、新型コロナウイルスの拡散の勢いを抑えるために、5日まで実施することにしていた高強度の「社会的距離置き」を19日まで延長することにした。2週間の高強度の距離置きにも拘わらず、毎日100人に近い新規患者が追加され、合計患者数が1万237人に増えたためだ。

社会的距離置きが期待していた成果を出せない主な理由は、世界的な流行で海外流入患者が増えているからだ。毎日6000〜7000人ずつ入ってくる入国者たちによって自己隔離対象者が急増し、地域社会への伝播のリスクが大きくなったうえ、隔離ガイドラインを違反した一部の逸脱者が防疫網に穴を開けている。京畿軍浦市(キョンギ・グンポシ)では、感染判定後、自己隔離していた50代の夫婦が美術館や商業施設などを歩き回って、感染症違反の容疑で告発された。米国に留学していた10代の男性は、入国前に解熱剤を飲んで発熱検査中心の出入国検疫を通った後、国内居住地である釜山(プサン)で感染判定を受けた。政府は1日から入国者全員を自己隔離の状態で1対1で管理すると公言したが、一週間も経たないうちに、ずさんな管理が明らかになったのだ。

このように、海外からの流入をきちんと食い止めない状況が続く中、高強度の社会的距離置きに疲れを感じた国民は、防疫隊列から徐々に離脱する様子を示している。防疫当局が基地局情報に基づいて国民の移動量を分析した結果、新天地事態で患者が急増した2月末は移動量が40%減少したが、社会的距離置き施行2週目の先週は、2月末比16%増加したことが分かった。政府が距離置き政策を実施しながらも、強制的な対策がないため、あまり効果を上げられずにいるという指摘が出ている。

政府は一日の新規患者が50人未満に減少し、感染経路を知らない患者の割合が5%以下になれば、防疫と日常を並行する「生活防疫」体制に転換できると明らかにした。この基準に到達するために、社会的距離置き以外はこれと言った手がない。個人の自由を重視する北米や欧州でも、距離置きの強度を高めている。

今になって緩むことになれば、今までの努力がすべて無駄になる。これから2週間きつく強度を高めて距離置きを実践してこそ、経済的被害を最小限に抑え、登校と始業の遅れによるあらゆる困難を減らすことができる。政府も国民の忍耐だけを要求するのでなく、海外流入による感染のリスクを軽減できるように、入国者全員への診断検査と自己隔離の管理強化策を急いで用意しなければならない。また、療養病院と多人数密集施設の防疫ルールの履行実態を徹底的に点検して、地域内の小規模集団感染を防がなければならない。