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新型コロナを誘発するゲノム「遺伝子地図」が作成された

新型コロナを誘発するゲノム「遺伝子地図」が作成された

Posted April. 10, 2020 08:18,   

Updated April. 10, 2020 08:18

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新型コロナウイルス感染症を誘発するサーズコロナウイルスー2(SARS―CoV-2)の遺伝体(ゲノム)全体を最も精密に分析した遺伝子地図が初めて出てきた。これまでは10個と知られていたウイルスの転写体(ゲノムでタンパク質を作るときに必要な中間媒介遺伝物質)が9個に訂正され、正確な遺伝子の位置も決定した。このウイルスのゲノムを解読した研究はこれまでも報告されたことがあるが、ウイルス遺伝子の正確な位置と数、特性まで正確に明らかにしたのは初めてだ。診断技術を改善し、新たな治療薬を開発するのに役立つものと期待される。

基礎科学研究院(IBS)・RNA研究団のキム・ピッネリ団長(ソウル大学教授)とチャン・へシク研究委員、キム・ドンワン研究員は、疾病管理本部と共同で、サーズコロナウイルスー2のゲノム全体とウイルスが人体細胞に感染後、タンパク質を作るための中間過程で生産する転写体を解読した結果を、生命科学分野の国際学術誌「セル」の9日付に発表した。

サーズコロナウイルスー2は、リボ核酸(RNA)と呼ばれる遺伝物質約3万個で構成されたゲノムを有する。人体細胞に侵入すれば、ゲノム自体を複製し、ゲノムを利用してウイルスの殻と酵素となるタンパク質を生成する。ゲノムから必要な部位(遺伝子)のRNAだけを読んで、一種の「コピー」に該当するRNAを別に作った後、これをもとにタンパク質を作る2段階のプロセスを経る。ゲノムは一種の「ウイルスの総合設計図」であるが、転写体は不要な部分を除いた「コア設計図」のコピーに当たる。研究チームは、不活性状態のサーズコロナウイルスー2のゲノムと転写体を二つの次世代塩基配列解読技術を用いて解読した。研究チームは、このウイルスはこれまで知られていたように、ウイルスの転写体が10個ではなく、9個だという事実を初めて確認した。また、これまで推定にとどまっていたいくつかの遺伝子の位置も正確に調べた。新しいRNA数十種を発見し、ウイルスの遺伝子組換えが活発に起こることも明らかにした。

研究チームは、タンパク質を作る重要な設計図の役割をする転写体で、メチル基などの化学分子を付けて表示をしたところも41カ所を発見した。後成転写体と呼ばれるこの表示は、タンパク質を作るために必要なメモの役割をする。後成転写体は、特定の塩基配列から集中的に発見された。これは、ウイルスの複製過程を理解するのに役立つ情報である。

キム・ピッネリ団長は、「新たに発見されたRNAと化学的表示が、ウイルスの複製と生存、宿主を対象にした免疫反応の調節に関与しているか研究が必要だ」とし、「治療剤を開発する時に標的にできるだろう」と語った。また、ウイルス遺伝子の位置を正確に見つけて、診断技術を改善するのに役立つものと期待している。


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com