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老いぼれ保守を一新させる新しい人物は誰か

老いぼれ保守を一新させる新しい人物は誰か

Posted April. 20, 2020 08:15,   

Updated April. 20, 2020 08:15

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賽は投げられた。記録的な圧勝で文在寅(ムン・ジェイン)政権に力が与えられることになった。しかし、果たして文大統領個人に対してもそうか。「否」というのが私の考えだ。歴代どの大統領も避けられなかった5年単任制の車輪が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の前にも転がってきたからだ。

5年単任大統領の政権後半期に行われる総選挙はレームダックの加速ペダルを踏む。勝敗に関係なく与野党に新しい陣容が整い、これまで霧の中だった未来の権力の輪郭が徐々に現れるためだ。金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の後半期である1996年、2000年、12年、16年の総選挙後から、大統領の権力は指の間から砂が流れ落ちるように緩み始めた。

物理的な時間も多くない。次期大統領選は22年3月9日。2年も残っていない。歴代政権の末期にそうだったように、来年初期から政局は手のほどこしようもなく大統領選の局面に入るだろう。文大統領がしっかり仕事ができる時間は今年末までということだ。

文大統領は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領のレームダックを近くで見守った。自分のレームダックも避けられない宿命であることを承知しているだろう。このため、時間があまりないと焦って、今年中に南北和解と対中接近、いわゆる検察改革と主流勢力の交代という念願事業の成果を出すために無理なことをしないか懸念される。

与党圧勝に対する大統領の声は、「国民を信じて大胆に進む」だった。その言葉が独走の引き金でないことを望む。何より文大統領は、総選挙の勝利によって生まれ得るヒュブリス(権力者の傲慢)を警戒しなければならない。ヒュブリスのために任期末やその後に足かせとなった権力者の姿を私たちは目にした。

 

文大統領、ひいては文政権が傲慢ではいけない決定的な理由がある。今回の総選挙の小選挙区の選挙で与党「共に民主党」は163議席、野党「未来統合党」はその半分ほどの84議席だった。しかし、全国253の小選挙区の総得票率は、「共に民主党」49.9%、未来統合党41.4%で8.5ポイントの差しかない。多くの競合地域で「共に民主党」の候補が僅差で勝利して、このような現象が起こったのだ。

比例政党の得票率も似ている。進歩陣営が約50%、保守陣営が約40%で10ポイント程度の差だ。つまり保守政治勢力は壊滅しても、保守の票心が壊滅したわけではないということだ。文政権はまだ40%ほどの批判的な国民が厳存することを肝に銘じ、今後国政に臨まなければならない。

にもかかわらず、現場で直接牽制しなければならない保守政治は崩壊した。ただでさえ保守政治、とても古臭い。選挙で未来統合党の候補に票を入れた多くの人々も、党が好きだからではなく、政権の暴走が嫌だったからだ。

「共に民主党」は公認で、大統領府出身の「文チルドレン」、親文・親曺国(チョ・グク)の若者や企業家、判事、警察出身など総入れ替えがあった。未来統合党では何の変化があったのか。開票放送を見て、あんな古い政治家も未来統合党の公認を受けたのか、という人が少なくなかった。中には保守に有利な地域で当選した人もいるが、首都圏では未来統合党の年寄りイメージだけが浮き彫りになった。

しかも、選挙が迫って焦りが出ると、80歳の金鐘仁(キム・ジョンイン)氏を迎え入れて総括選挙対策委員長を任せ、選挙に惨敗すると今度は非常対策委員長を任せるという。さらに他党の代表である安哲秀(アン・チョルス)氏が非常対策委員長候補に名前が挙がったりもした。また、先の大統領選の惨敗を招いた無所属の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏は早くも未来統合党に復党した後、大統領選へ挑戦する意向まで表わした。一体どういうことなのか。

 

こんなにも惨敗しても分からないのだろうか。今回の総選挙のメッセージは明白だ。未来統合党の政策やビジョンより、年寄りイメージを漂わせる人が嫌なのだ。いや、未来統合党そのものが嫌いだと言うべきか。一新させなければ未来はない。

それにはまず非常対策委員長から目を引く人物を立て、次期大統領選レースで中道の票心までつかめる候補の今年中に育てなければならない。一つ幸いなことは、今回の総選挙を通じて「朴槿恵の残滓」を取り払うことができたことだ。弾劾の過去から立ち上がり、党名どおり「未来」と「統合」に進むことができる新しい人物、人生にストーリーがあり、30、40代と中道の票心にもアピールできる斬新な候補を育てること。それこそ壊れた保守政治を一日も早く取り戻す道だ。


パク・ジェギュン記者 phark@donga.com