「南極のペンに秀でるの秀(ス)/こんな優れものはないさ」(「ペンスにします」から)
EBSの人気キャラクター「ペンス」の音源チャート席巻は、どうやった可能だったのだろうか。ペンスは21日、初のデジタルシングル「ビルボードプロジェクトVol.1」を発表し歌手デビューした。デビュー曲「ペンスにします」は可愛いヒップホップジャンルの楽曲だ。「海の中を飛んで/ビルボードに行こう」「1位になるよ」など米ビルボードチャートの頂上を狙う野心満々なラッパー・アーティストとして名を知らせた。有名ラッパーのタイガーJKとBizzy、歌手Viviが参加した。ペンス特有のきりっとした声で1番のラップを歌い上げ、後半ではヨーデルと合いの手(「shout out to EBS/shout out to 南極」)も披露した。
音源は発売日にジニーミュージックとバックスのリアルタイムチャートでトップを席巻した。26日までも、これらのプラットフォームで30位圏を守っている。EBSの関係者は、「音源チャート(100位圏)進出自体だけでも至難の業だと言われたので半信半疑したけど、こんな結果が出て制作スタッフみんな大変驚いたし、喜んでいる」と話した。
音楽業界も驚いている。業界の関係者たちは、ペンスの音源シンドロームには複合的な要因が働いたとみている。新型コロナウィルス感染拡大で社会的距離が求められ、オンライン授業開始、最近のキッズコンテンツの全般的な好調、人工知能(AI)スピーカーの普及が相乗効果を生んだという見方だ。
KTのAIスピーカー「ギガジニー」の昨年の決算資料によると、210万人の発話を分析した結果、「アーティスト」部門の上位10位のうち3つのキーワードが子供向けキャラクターだった。ピンクポン(1位)、ポロロ(2位)、ハロー・カーボット(10位)だ。ジニーミュージックの関係者は、「一日中家で過ごす子供たちが増えてから、『ペンスをつけて』の命令語が激増したのだと思われる」と話した。
20、30代のファン層も高い人気に追い風だ。各種インターネット掲示板とソーシャルメディア(SNS)ではペンスのファンたちが音源発売前から、「21日午後6時をもって一斉てストリーミングを実施しよう」と呼びかける現象も現れた。アイドルのファンダムが良く使うストリーミングを総攻撃して好きな歌手の順位を上げる手だ。20、30代はペンスのファンダムの実質的な中核に挙げられる。バックスの関係者は、「バックスユーザーのうち、20、30代が70%を占める。この世代に馴染みやすいヒップホップで臨んだのが的中したようだ」と話した。
イム・ヒユン記者 imi@donga.com