韓国戦争で「隠れた英雄」として活躍した米国の先住民ナバホ(Navajo)族の参戦勇士にマスク1万枚や手指消毒剤などの衛生用品を支援すると、韓国戦争70周年事業推進委員会が18日、明らかにした。
ナバホ族は、米先住民の中で最も人口が多い部族で、韓国戦争当時、約800人が参戦した。彼らが戦場で活躍したのは第2次世界大戦の時からだ。当時、日本軍が米軍の暗号を解読して軍事機密情報が漏れ、大きな被害を受けると、米軍は絶対解読されない暗号づくりに着手した。この時活用された言語がナバホ族に伝わる口述言語。米軍は、ナバホ族を「コードトーカー」という名前の暗号通信兵に育成し、彼らは米海軍と海兵隊に所属し、第2次世界大戦の太平洋戦線の形勢を変えるのに決定的な役割を果たした。
彼らのうち約800人は、第2次世界大戦が終わると韓国戦争に志願し、暗号通信兵として活躍したという。ナバホ暗号通信兵の存在は、1968年に米政府が機密を解除するまでトップシークレットとされ、外部には知らされなかった。ナバホ族の活躍を題材にして、2002年にニコラス・ケージ主演の映画「ウインドトーカーズ」が制作された。
現在生存しているナバホ族の韓国戦争参戦勇士は約130人と推算される。彼らの多くは米アリゾナ州やニューメキシコ州、ユタ州など主に砂漠地域に居住しており、生活環境が厳しいという。これに対して、ロサンゼルス総領事館やアリゾナ韓人会、韓人宣教師会などが立ち上がり、今回マスクと手指消毒剤の支援が実現した。国家報勲処は2016年の韓国戦争66周年の時、ナバホ族の参戦勇士35人に「平和の使徒メダル」を伝えたことがある。
韓国戦争70周年事業推進委員会のキム・ウンギ共同委員長は、「大韓民国政府は70年前、見知らぬ国を守るために尊い犠牲を払ったすべての方を記憶している」とし、「その方々が子孫に若い頃の自身の選択を名誉に話せることを願う」と述べた。
申圭鎭 newjin@donga.com