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ボルトン氏の暴露、「トランプ氏、米朝首脳会談を広報行事と考える」

ボルトン氏の暴露、「トランプ氏、米朝首脳会談を広報行事と考える」

Posted June. 19, 2020 08:16,   

Updated June. 19, 2020 08:16

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ホワイトハウスが出版差し止めの訴訟を起こしたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録の内容が米メディアに公開された。ボルトン氏は17日(現地時間)、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やワシントン・ポスト(WP)などに500ページを超える回顧録『The Room Where It Happened(それが起きた部屋)』の一部を公開した。

回顧録には、メモ狂とされるボルトン氏が17ヵ月間、ホワイトハウスで経験した大小の事件が記された。23日に出版予定だったが、出版の差し止めを求めてホワイトハウスが提訴すると、ボルトン氏がメディアを通じて核心内容を公開したのだ。それだけ敏感な内容が多い。

特に回顧録には、2018年6月にシンガポールで開かれた第1回米朝首脳会談当時、トランプ氏が真剣に臨まなかったというエピソードが紹介されており、トランプ氏の北朝鮮政策をめぐって論議が起こるものと予想される。

●米朝首脳会談を広報行事と考えるトランプ氏

「トランプの中国政策スキャンダル」と題するWSJの寄稿で、ボルトン氏はトランプ氏が北朝鮮を含む外交安保政策で国益より自身の再選を優先したと暴露した。

ボルトン氏は初めて米朝首脳が会ったシンガポール首脳会談について、トランプ氏が非核化の努力には全く関心を傾けず、会談を単なる「広報行事」と見なしたと酷評した。ボルトン氏は、「トランプが私に『(内容が)空いている声明書にも署名する準備ができた。記者会見場で勝利を宣言した後、出発する』と話した」と主張した。

 

WPは、回顧録には、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ氏、同席した随行団の対話と現場の状況が紹介されたと伝えた。ボルトン氏は、トランプ氏が米朝首脳会談後、正恩氏にエルトン・ジョンのサイン入りのCD「ロケットマン」を渡すことに執着したというエピソードを紹介した。ボルトン氏は、「北朝鮮を訪れたポンペオ国務長官にトランプ氏が『(正恩氏に)CDを渡したか』と何度も尋ねた」とし、「ポンペオ氏が訪朝中、正恩氏に会えなかったことを知らないようだった。正恩氏にCDを渡すことが数ヵ月間(大統領の)最優先事項だった」と伝えた。

ボルトン氏は、シンガポール米朝首脳会談を控えてトランプ氏が文在寅(ムン・ジェイン)大統領と行った電話会談についても書いた。ボルトン氏は、「当時、中米歴訪中だったポンペオ長官が(この知らせを聞いては電話で)『心臓マヒになるかと思った』と話し、私も『死ぬかと思った』と言った」とし、「電話会談に失望した」と明らかにした。具体的な内容は明らかにされなかったが、2人が国政運営と外交で哲学なく直感に依存するトランプ氏を無視したと推測される。

 

ボルトン氏は、ポンペオ氏を含め、トランプ氏の最側近らが裏では大統領を嘲弄していたと暴露した。米紙ニューヨーク・タイムズは、ポンペオ氏がシンガポール米朝首脳会談中、ボルトン氏に「彼(トランプ氏)は嘘つき」というメッセージを渡し、約1ヵ月後にはトランプ氏の北朝鮮政策を「成功確率はゼロだ」と断じたこともあったという。

●習近平主席に再選ために農産物購入を懇願

トランプ氏は昨年6月、大阪で開かれた主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議で、中国の習近平国家主席に米国産の大豆と小麦の購入を増やして自身の再選に協力してくれるよう懇願したと、ボルトン氏は主張した。WSJによると、習氏が「現行の関税を廃止するか、少なくとも追加関税がないと合意しなければならない」と話すと、トランプ氏は「警告した25%ではなく10%を維持する」と明らかにし、自身の再選のために重要な農産物輸入を懇願したと、ボルトン氏は伝えた。また、習氏が先に「トランプ氏とさらに6年仕事をしたい」と言うと、トランプ氏も「人々が私に対しては憲法の再任制限を廃止しなければならないと話す」と話した。

 

ボルトン氏はまた、トランプ氏が中国主席、トルコ大統領など自身が好きな独裁者の便宜を図るために関連捜査を妨害しようとしたと回顧録で明らかにした。ボルトン氏は、「(トランプ氏は)司法妨害が自身の生き方のように行動した。心配してバー司法長官にこの事実を伝えた」と明らかにした。


任寶美 bom@donga.com