韓半島の緊張が高まる中、トランプ米大統領とボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が、北朝鮮の非核化交渉の失敗をめぐる責任攻防を繰り広げている。北朝鮮による脅威の中、対策をめぐる真摯な議論が失踪したという指摘が出ている。
ボルトン氏が回顧録『The Room Where It Happened(それが起きた部屋)』で、ハノイ米朝首脳会談の裏話を暴露し、両者が激しい舌戦を繰り広げている。
トランプ氏は18日(現地時間)、ツイッターで、「変わり者のボルトンが、北朝鮮に対してリビア方式を見ていると言った時、すべてを台無しにした」とし、「私とうまくやっていた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、まるで彼のミサイルのように爆発した」と主張した。核廃棄後に補償することを骨子とするリビア方式は、北朝鮮が強い拒否感を示した非核化方式だ。
またトランプ氏は、「正恩氏は、彼の周囲にボルトンがいるのを嫌がった」とし、「ボルトンの間抜けなすべての発言は、北朝鮮と私たちをひどく後退させた。今でもそうだ」と非難した。さらに、ホワイトハウスのソーシャルメディアディレクターのダン・スカヴィーノ氏が、ボルトン氏が出版した回顧録について、「不満に満ちた傲慢で独善的な戦争狂が解雇された後、機密内容を本に書くことほど悪いことはない」と非難したつぶやきをリツイートした。
ホワイトハウスと外交安保省庁の当局者も非難に加勢した。ポンペオ国務長官は声明で、「ボルトンの最後の公的役割が米国に害を及ぼす反逆者だとは悲しく危険だ」と述べ、ピーター・ナバロ米大統領補佐官は「リベンジポルノ」と非難した。
トランプ氏に対する暴露も続いている。同日、CNNによると、ボルトン氏は回顧録で、トランプ氏が正恩氏に「夢中だ」とし、「正恩氏に会おうとするトランプ氏の熱意に胸が痛かった」と述べた。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のスミ・テリー上級研究員は同日、ツイッターで、回顧録を抜粋して紹介した。テルー氏は、「トランプ氏は、韓米合同軍事演習の費用に不満が大きかった。正恩氏が韓米合同軍事演習を縮小するか中止することを望むと言うと、トランプ氏は軍を無視してそうすると答えた」と明らかにした。民主党が多数の下院は、ボルトン氏を公聴会の証人に立てるとしており、追加の暴露が出てくる可能性もある。
ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com