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圧倒的戦力の前に小さくなった北朝鮮、生半可になだめるのではなく責任を問うべきだ

圧倒的戦力の前に小さくなった北朝鮮、生半可になだめるのではなく責任を問うべきだ

Posted June. 25, 2020 08:18,   

Updated June. 25, 2020 08:18

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は23日、党中央軍事委員会の予備会議を開き、韓国への軍事行動計画を保留したと、労働新聞が24日、報じた。金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が4日、脱北者団体の体制批判ビラの散布を非難する談話で韓国に警告してから19日が経った。北朝鮮軍は21日から前線に設置していた拡声器を撤去し、各種宣伝メディアは韓国政府に対する誹謗を中断した。

北朝鮮の態度変化は、米国が戦略爆撃機や原子力空母3隻など核戦略兵器を韓半島周辺に展開したことで出てきた。B-52戦略爆撃機はこの1週間で3度も韓半島付近を飛行した。北朝鮮の韓国に対する攻勢が一つずつ出てくるたびに行われた飛行は、挑発を遮断しようという北朝鮮への強力な警告として作用し、北朝鮮もこれを意識したのだろう。政府が連絡事務所の爆破と与正氏の暴言に対して異例の警告を出し、対応の意向を明らかにしたのも影響を及ぼしたとみられる。

 

北朝鮮が今回の挑発を通じて狙ったのは、米国の態度変化と北朝鮮体制批判ビラに対する韓国側の強硬な対応の2つだったとみられる。北朝鮮は、米国を直接狙うことなく、韓国側に米国との橋わたしを求める間接的メッセージが、南北連絡事務所の爆破などを通じて十分に伝えられたと判断したものと見受けられる。

米国務省の当局者は23日、北朝鮮に対して「外交の扉は開いており、2018年6月に戻りたい」とし、一昨年のシンガポール米朝首脳会談の合意を維持するための対話の再開を呼びかけた。さらに国務省は軍備統制報告書で、北朝鮮の核活動が続いているとし、非核化が達成されるまで、国際社会の制裁が維持されることを明確にした。北朝鮮が米国との談判を望むなら、非核化を決心して協議に入ることが唯一の解決策であることを再確認したのだ。

北朝鮮が遅まきながら挑発局面を緩和したのは幸いだ。しかし、北朝鮮の今回の決定は、軍事行動計画の取り消しではなく保留にすぎない。危機を先送りにしただけで、南北関係が改善されると期待するのは大きな錯覚だろう。南北鉄道連結や観光再開などで生半可になだめるのではなく、原則に則った正面突破だけが南北関係を正常化させることができる。連絡事務所爆破の責任を最後まで追及する強力な対応を通じて、再び無謀な挑発を夢見ないようにしなければならない。

今回の事態は、韓半島の平和を守るためには韓米同盟が持つ圧倒的な力の優位で、北朝鮮の挑発欲求を先制的に挫くこと以外に方法がないことを再度確認させる。非核化へのアプローチの違いで緩んだ韓米同盟を再び強化し、韓米協力を蘇らせる努力が切実だ。