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今がチャンスだ

Posted June. 27, 2020 08:16,   

Updated June. 27, 2020 08:16

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とある寓話がある。この寓話に出てくる多くの大人は、集まっては何もすることなく時間をつぶす。ご飯を食べてお酒を飲んで、薬物するのがすべてだ。子供たちは怒って、行動に出ることを決める。この寓話で子供の怒りは、人類を絶滅の危機に追い込む気候変動への大人の無責任だ。最近に入って、世界の子供たちが寓話のように街頭に出る。大人たちが貪欲で自分たちの未来を奪っているので、怒って行動に出るのだ。

「空は青く、空気はとてもきれいです」。コロナ期間中の全世界の共通の見方だった。産業団地が稼働を中止し、移動制限により化石燃料の使用が大幅に減少した。粒子状物質も、気候変動の主犯である二酸化炭素も減った。非営利気候研究団体であるカーボンブリーフ(Carbon Brief)はホームページに、「コロナウイルスが、中国の二酸化炭素の排出量を4分の1に減らした」というレターを掲載した。はたして中国だけだろうか?ところが、コロナで二酸化炭素が減少したのに、気象災害はより深刻になった

今週月曜日、ソウルの最高気温は35.4度まで上がり、62年ぶりの記録だと大騒ぎした。しかし、この程度の猛暑は、語り草にもならない。6月に入り、ロシア北極圏の都市Nizhnyaya Peshaが30度を記録した。人が住んでいる地域の中で最も寒いと言われるロシアのベルホヤンスクは20日、38度を記録した。ベルホヤンスクは北緯67度で、韓国ソウルとの差が緯度で32度もあるほど北極圏の永久凍土地域だ。この地域の38度は観測史上最悪の猛暑で、私たちが想像することも難しいほどだ。

多くの国が大雨で苦しんでいる。5月から6月まで降った雨で、中国南部地域で最悪の洪水が発生した。広東などの南部地域では、850万人の被災者と約3兆4000億ウォンに達する被害が発生した。中国最大の水力発電ダム・三峽ダムが崩壊するかもしれないという噂まで出回った。ロシア・シベリアのクラスノヤルスク州は、緊急事態が宣言されるほど大雨が降り注ぎ、家屋500軒以上が浸水した。また、5月末に熱併合発電所で燃料タンクが破損して、ディーゼル2万1000トン以上が流出する環境災害が発生した。高温と大雨で地盤が沈下したことが原因とみられる。米ミシガン州でも、ものすごい豪雨で、エデンヴィルダムとサンフォードダムの2つのダムが崩れて、住民1万人が緊急避難する事態が起きた。

気候変動が招く気象災害はどの程度だろうか?米航空宇宙局(NASA)は今年5月、最近の地球の気象指標を分析して発表した。「雪解け、平均気温、海面、二酸化炭素濃…すべてが最悪に向けて突っ走っている」という悲劇的な結果を出した。報告書を見ながら、時々私たちの子供たちが私の年齢ぐらいになると、激しい気象災害の中でどのように生きていくのか眠れない。「新型コロナウイルスによる経済危機の克服のために、大規模な支援策を用意する現時点こそ、大気汚染と気候変動を同時に解決する絶好のチャンスです」。最近の潘基文(パン・ギムン)国家気候環境会議委員長が、英紙フィナンシャル・タイムズに投稿した文だ。氏は、「人類の未来は、気候変動を阻止しなければ、希望がない」と言う。気候変動問題を解決するために、今や口ぎれいな言葉や上辺だけのグリーンニューディールはだめだ。政府の発想転換を促す。


李恩澤 nabi@donga.com