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「億」単位のおやつ、大企業はおやつ費だけで月に1億

「億」単位のおやつ、大企業はおやつ費だけで月に1億

Posted July. 04, 2020 08:43,   

Updated July. 04, 2020 08:43

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「今日は何のおやつを食べようか?」

カーシェアリング会社・ソカ-に入社して5ヶ月目のキム・ガラム・マネージャー(28)は、出勤が楽しい。希望の職場に勤めることになったのも嬉しいことだが、この会社の格別なおやつのメニューが、出勤の足取りを軽くする。いくつかのお菓子にインスタントコーヒーほどの給湯室とはレベルが違う。おやつ専門キュレーション業者がシリアル、ヨーグルト、ナッツなど、様々なおやつを準備してくれる。キム・マネージャーは、「おやつそのものも良いが、初めて接するおやつをテーマに、同僚たちがアイスブレーキングをすると雰囲気が和気あいあいになる」と語った。

●「億」単位のおやつコスト

おやつキュレーションサービスが、企業の間で急速に広がっている。カカオ、現代(ヒョンデ)自動車、KB国民(クンミン)銀行など、名前さえ聞けば分かる企業各社がすでにおやつキュレーションサービスを採用している。スナック24、スナックフォー、オフィススナックキングなどが代表的企業だ。スナック24は、2018年3月のサービス開始以来640社が、スナックフォーは2017年7月のサービス開始以来400社が利用している。定期的におやつを持ち込んでセッティングまでしてくれるのにかかる費用は、月に最低15万〜50万ウォン。それ以下の金額は、キュレーションされたおやつを宅配便で送る。おやつを多く消費する企業は、月に1億ウォン近く支出したりする。

おやつキュレーションサービスを最も希望する、それでいて最も恩恵を受ける人は、断然おやつを準備してきた経営支援チーム、人事チーム、総務チーム所属の担当者だ。おやつのニーズを把握してスーパーに行き、おやつを買ってそれを運び、会社で陳列して、後片付けまで…。このような面倒なことをおやつキュレーション業者が引き受けてくれる。外資系情報技術(IT)企業でおやつを担当する職員は、「うちの会社には、異なる文化や人種の職員が多いが、彼らの味覚まで合わせるには限界があった」とし、「一人で200分かかっていたことを、専門業者を通じて20分に短縮した」と話した。

とあるゲーム会社の経営支援チーム長は、「おやつの注文からお届けまで、社内チームの人材では限界があり、代表に担当人材の補充を提案するほどだった」とし、「経営支援業務のために多くのキャリアを積んできたのに、いざスタッフのおやつ準備に追われて、自分の仕事ができないほどだった」と語った。

企業からみても、コスト削減ができるので前向きといえる。おやつキュレーション業者は、メーカーから安値で大量に取り寄せて、独自の物流センターに確保後配送する。このため、コンビニ比5〜30%安いというのがおやつキュレーション企業の説明だ。これらの企業は、顧客におやつを並べる棚や冷蔵庫を無償で提供し、不人気のおやつは交換したり、コストから一部を差し引いたりする。

●キム部長がえびせんを開封する時、パク主任はエネルギーバーを手にする

それなら、会社員はどのようなおやつを好むのだろうか。スナック24によると、6月現在アイシス、バッカス、ソウル牛乳、ホッケ茶、 シーグラム炭酸水が上位トップ5となっている。時ならぬ暑さに、飲料水を取り上げる人が多くなった。スナックフォーによると、人気のあるおやつは、上半期(1〜6月)基準では、マッバム、1日のナット、スモーク卵、おやつ用ソーセージ、プリングルズミニカップなどである。健康を気にする最近の会社員の世相に合わせて、お菓子よりはナッツスナックを多く求めるという説明だ。

世代別に口当たりは千差万別だった。主任、代理級の20代が好むおやつは、ミズラ全粒小麦ドーナツ、エネルギーバー、粉末シェイクのような健康食が断然多い。次長・部長級である50代はえびせん、ホームランボールのようなおなじみのお菓子を好んだ。サツマイモ切り干しなどの思い出を思い浮かばせるおやつも目立った。一部の企業は、役員のためにおやつキュレーション業者に果物を要請することもある。

とあるIT企業の職員は、「残業と徹夜作業の多いIT産業の特徴を配慮して、スナックやドリンクから夜食まで、様々な軽食を用意してくれる会社にありがたさを感じている」と話した。

●おやつを超えて朝食、AIキュレーションまで

おやつキュレーション業者はおやつで始まったが、朝食まで事業領域を広げている。スナック24とオフィススナックキングは、サンドイッチやサラダ、カップフルーツのような朝食を早朝配送する。さらに、従業員が直接誕生日プレゼントを選ぶことができるように支援し、各種事務機器をレンタルするサービスまで裾野を広げている。スナック24のキム・デヒョン・マーケティングディレクターは、「おやつサービスを利用した顧客が、逆に提案をたくさんしてきて、自然に誕生日プレゼントキュレーション、事務用品のレンタルまで事業領域を拡大している」と語った。

さらに、人工知能(AI)を活用した自動化キュレーションシステムの構築を進めているところもある。スナックフォーは、顧客が好むおやつデータを従業員が一つ一つ分析して、人気が高いおやつを提供してきたが、今は、このプロセスをAIに任せることにした。全体従業員の25%ほどがキュレーション過程に力を入れたが、AIが導入されれば、効率が急速に上がると見ている。

イ・ウンヒ・スナックフォー代表は、「人間のキュレーションとAIのキュレーションの精度を検証している段階だ」とし、「早ければ8月にAIを導入すれば、顧客拡大を迅速に増やしていくことができるだろう」と語った。


シン・ムギョン記者 yes@donga.com