米国の北朝鮮担当特別代表を兼務するビーガン国務副長官が7日、韓国に到着し、3日間の日程を開始した。昨年12月の来韓以来7ヵ月ぶりであり、副長官昇進後初の来韓だ。しかし、北朝鮮が同日、再度「われわれは米国人らと対座する考えはない」と米朝接触説を一蹴し、今回の来韓で米朝対話再開の本格的な突破口を見出すことは容易ではないという観測が流れている。
ビーガン氏は同日午後、米軍用機に乗って烏山(オサン)空軍基地に到着した後、宿泊先のソウル市内のホテルに立ち寄り、駐韓米国大使官邸で開かれた非公開の晩餐会に参加した。ビーガン氏は、ハリス駐韓大使と北朝鮮へのメッセージなどについて話し合ったという。
新型コロナウイルスの感染を懸念して、ビーガン氏は過去の来韓時とは違って、外出を控えた。来韓のたびに立ち寄った行きつけのタッカンマリ店に行かず、店の調理師を米大使官邸に招き、鶏料理を楽しんだ。
ビーガン氏の来韓には、米朝実務交渉が開かれるたびに同行した国家安全保障会議(NSC)のフッカー・アジア上級部長は参加しなかった。これを受けて、今回の来韓に対する期待値を下げたという見方が出ている。米国務省は6日(現地時間)、ビーガン氏の来韓前、「(今回の日程は)北朝鮮の『最終的かつ完全に検証可能な非核化(FFVD)』に対する調整を強化するため」と明らかにし、原則的なアプローチを強調した。
ビーガン氏が過去の来韓では常に訪れた統一部への訪問計画を来韓当日まで決めていなかったことも、韓米作業部会を通じた制裁緩和はまだ議論する段階ではないというメッセージとみられている。ビーガン氏は8日に外交部と国家情報院を訪れ、9日午前に大統領府国家安保室を訪問し、徐薫(ソ・フン)国家安保室長らと面談する予定だ。
ビーガン氏の来韓当日、北朝鮮は「対話拒否の意向」を再度明確にした。北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長は7日、談話を発表し、「今も南側の近所からは朝米首脳会談を仲裁するための自分らの努力には変わりがないというたわ言が相次いでいる」とし、「再度、明確にしておくが、われわれは米国人らと対座する考えはない」と牽制した。
クォン氏は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめとする韓国政府当局者についても、「もう口出しをやめる時になったようだが、その癖をやめるには薬と処方がないようだ」とし、「『仲裁者』になろうとする未練がそんなにも強烈で、最後まで努力してみるのが本当に願いならやってみればいい。元も取れず嘲笑われるのかわかるだろう」と述べた。
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