Go to contents

平壌近郊に核弾頭製造施設、寧辺廃棄「スモールディール」は意味なし

平壌近郊に核弾頭製造施設、寧辺廃棄「スモールディール」は意味なし

Posted July. 10, 2020 09:55,   

Updated July. 10, 2020 09:55

한국어

北朝鮮が平壌(ピョンヤン)近郊の元魯里(ウォンロリ)地域で核弾頭を製造していることが疑われる活動が衛星写真に捉えられた。ミドルベリー国際大学院東アジア核不拡散プロジェクトトップのジェフリー・ルイス氏は8日、「元魯里地域が核開発計画と関係があることを把握した」とし、「北朝鮮の脅威は一層大きくなった」と指摘した。

 

元魯里施設の公表により、北朝鮮が米国との非核化協議に入っても、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核弾頭を搭載するためのミサイル開発を一時も休んでいないことが確認された。ここは新里(シンリ)のICBM組み立て施設から14キロ、カンソンのウラン濃縮施設から13キロしか離れていない。ここが核弾頭製造施設なら、高濃縮ウラン(HEU)を生産して核弾頭に装着した後、ICBMに搭載する過程をワンストップで行う核兵器総合生産団地を構築したも同然だ。

トランプ氏はこれまで、北朝鮮が核弾頭を装着したICBMで米国を狙うことをレッドラインと見なしてきた。しかし、北朝鮮が核弾頭の小型化と大気圏再突入技術を完成し、これをICBMに搭載するなら、北朝鮮の核の脅威の次元は変わるほかない。米本土を核ミサイルで攻撃するという主張ももはや口先だけの言葉ではなく、世界の安全保障秩序を揺さぶる実質的な脅威になる。

このように北朝鮮の核の脅威が高まっているにもかかわらず、韓国政府の対応の意思や能力は心もとない。新しい外交安保ラインは、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)核団地と一部の施設だけ廃棄すれば非核化がなされるという安易な態度で「スモールディール+α」を米朝非核化交渉の仲裁案として検討するという。しかし、北朝鮮が平壌近郊に構築した新たな核ベルトを運営する状況では、事実上のくず鉄の塊に相違ない寧辺核施設を解体しても、さらなる爆破ショーにすぎないだろう。

 

北朝鮮が韓米の対話提案に背を向けて核開発に邁進するのには、11月3日に大統領選を控えた米国に対して交渉力を高めるという狙いがある。そして、核ミサイルの完成まで開発を止めないだろう。このような北朝鮮の策略を阻止するには、南北関係の改善と米朝対話の仲裁にしがみつくのではなく、北朝鮮の完全な非核化を最優先しなければならない。北朝鮮の核開発のニュースにも、核兵器関連ではなく支援施設だという安易な態度は、国民の安保不安を大きくするだけだ。