「ベートーベンの活動舞台だったウィーンで人生の半分を過ごしながら、いつも彼に会って来ました。今ベートーベンの生誕250周年を一より層意味あるものとして送ることができるようになりました」
コリアンシンフォニーオーケストラの若い音楽家育成プロジェクト「ネクスト・ステージ」の今年の指揮者に選ばれた指揮者パク・スンユ(33・写真)の言葉だ。2015年に28歳で、ロンドン国際指揮コンクールで優勝した彼女が、19日午後7時半、ソウル芸術の殿堂コンサートホールで開かれるコリアンシンフォニーネクストステージの舞台でベートーベン「フィデリオ」序曲と交響曲第4番を指揮する。
昨年、尹伊桑(ユン・イサン)国際音楽コンクールで最年少優勝した16歳のピアニスト・イム・ユンチャンが、ベートーベン・ピアノ協奏曲3番を共演する「オールベートーベン」プログラムだ。ネクストステージコンサートは、その年の指揮者にプログラム構成の権限を与える。
パク・スンユは、オーストリア・ザルツブルク・モーツァルテウムでチェロを勉強し、ウィーン国立音楽大学で指揮専攻で最高演奏者課程を卒業した。2018年に、ルーマニアのブカレスト国際指揮コンクールで2位と聴衆賞を受賞した。
「最初はベートーベン以降の作曲家たちにより関心がありました。勉強をすればするほど、ベートーベンへの後輩作曲家たちの尊敬と彼らが受けた影響を感じ、ウィーンという環境も加わり、ベートーベンに陥っていました」
今回のコンサートのメイン曲である交響曲・第4番は、壮大な第3番「英雄」と交響曲第5番の間で「2人の巨人の間にあるギリシャの女」と呼ばれる作品だ。
「第3番と第5番交響曲は、作品の『メッセージ』が強い一方、第4番より音楽自体の手法に集中できます。自由でユーモラスな曲でもあるので選びました」
チェリストから指揮者へと経路を変えた理由を尋ねた。彼女は「留学に行く際、良い演奏者から音楽家に、音楽家から芸術家に、さらに良い人間になることを目標に定めた」と語った。チェロや指揮はその経路で与えられる「姿」に過ぎないという。「人間の完成」を目標に据えたベートーベンを連想させる言葉だった。
昨年のネクストステージにも、女性指揮者・キム・ユウォンが選ばれた。世界で吹いている女性指揮者ブームについて、パク・スンユは、「指揮者が持つ多様な背景と資質に比べて、女性であるか、男性という要素は重要でないと考えている」と語った。指揮者としてのロールモデルを尋ねると、カルロス・クライバー、クラウディオ・アバド、マリス・ヤンソンスを取り上げた。
「本来の音楽に充実しながら、自分たちの個性も十分に発揮した巨匠たちでした。彼らの舞台には、音楽への献身と崇高さが感じられました。そんな舞台を作りたいと思います」
ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com