ソウル市は、朝鮮末期に活動した宮廷図画署画家・李宅均(イ・テクギュン、1808~?)が描いた「冊架図屏風」(写真)を、ソウル特別市の有形文化財に指定すると、6日明らかにした。冊架図とは、本棚に本、陶磁器、香炉、巻物、筆箱、硯、筆、花や果物などが置かれた様子を表現した絵だ。
市文化財に指定された冊架図屏風は、ソウル工芸博物館の所蔵品であり、10幅の屏風がつながるように製作した作品だ。幅ごとに3段または4段の本棚を配置して、いくつかの書物と物品をカラフルな彩色を加えて細かく描写した。
本棚の各面のコントラストを変えて立体的な感じを生かしたり、物の遠近感を誇張するなど、西洋から入ってきた絵画手法を積極的に活用した。冊架図には、描いた人の印章がそっと隠されていることが多く、作家と製作時期を推定するのに容易である。今回の文化財指定調査の過程で行われた顔料成分分析の結果、西洋から取り寄せたものと推定される青色顔料が使われた事実が確認された。
ソウル市は、「朝鮮後期社会で商品を活発に売買する経済システムが発達し、様々な物品の消費文化が拡散していた風潮を示す作品だ」とし、「保存状態が良好な作家の代表作を、今後さらに体系的に管理したい」と明らかにした。
李宅均は、本来の名前は李亨祿(イ・ヒョンロク)だったが、50代の時に膺祿(ウンロク)、60代の時に宅均と2度改名した。1852年と1861年に哲宗(チョルジョン)の御眞(王の肖像画)作業に参加した。
孫宅均 sohn@donga.com