「母はいつも『ネギキムチ(くたくたという意)』になって眠りました。家族全員が家に居続けているので…」
新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン授業開始後に自宅で1学期を過ごした大学生のパク・チェヨン氏(仮名・21)。彼女は6ヶ月間、「週末のような毎日」を送る母親があまりにも気の毒だった。会社員の父親は在宅勤務、高校生の弟もオンライン始業をして、パク氏家族全員が家で生活したのだ。家族がそれなりに手助けはしたものの、生活を切り盛りする母はますます疲れ切る日が増えた。母は「人は3人増えたのに、家事は5倍以上も増えた」と愚痴をこぼしたという。
ビッグデータの分析機関「生活変化観測所」が、2020年1〜6月に「意味が最も多く変化したキーワード」を集計した結果、上位圏に「ネギキムチ」という単語が登場した。もちろん、ネギキムチは食べものだけでなく、元々体が疲れた状態を意味しており、意味が変わったとは言いづらい。研究チームは、「関連キーワードががらりと変わったケースだ」と説明した。
ビッグデータで、ネギキムチは1、2月までは関連語が「グルメ」などの食べ物につながることが多かった。ところが、新型コロナが蔓延った3月から、ネギキムチはぐんと「母」「コロナ」という単語と一緒に言及された。自宅に留まる家族が増えたことで、家事が大幅に増えた主婦たちと「ネギキムチになる」という慣用表現が繋がっているというのが究チームの分析だ。
ポストコロナ時代において、ビッグデータで別の意味で注目される言葉もある。「ダルゴナ」だ。元々ダルゴナは、路上でブドウ糖の塊にソーダを入れて作って売っていた不良食品の代名詞だ。最近ここから着目して、コーヒー粉と砂糖、牛乳などを配合して作った甘いコーヒーが、昔のダルゴナと味が似ているとして「ダルゴナコーヒー」が人気を集めている。
ところが、新型コロナとダルゴナコーヒーは、何の関係があるのか。研究チームによると、3月以降、厳しい社会的距離置きの施行後、ビッグデータからダルゴナの言及量は通常より500倍以上も跳ね上がったという。まさにダルゴナコーヒーは、「4000回をかき混ぜてこそ、やっと一杯ができる」という冗談があるほど、作るのに相当手間がかかる。新型コロナによって家に留まる時間が長くなった人たちが、かえって「時間を過ごすことができる」低効率コーヒー作りに陥ったのだ。
実は、苦労していたパク氏の母親を助けたものも、ダルゴナだったという。偶然ソーシャルメディアで「ダルゴナコーヒーを作る」映像を見た彼女は、いつもコーヒーを楽しむ母親のためにダルゴナコーヒーを作るセットを注文した。夜に家族が集まって、泡立て器をかき混ぜたことで、家の中から笑い声が広がっていった。
生活変化観測所は、「新型コロナによって、人々が大切にしている価値にも変化が生じた」と伝えた。たとえば、「重要だ」と続く「○○力」というキーワードの言及順位を見れば、2017〜2019年は5、6位に過ぎなかった「免疫力」が、2020年はこれまで不動の1、2位だった「能力」「実力」を抜いてトップとなった。
「家」と関連付けられる感情の中には、新型コロナ前は35位だった「息苦しい」が新型コロナが到来して1位に急騰した。「オンライン」と結合されている単語の順位も変わった。新型コロナの拡散前は「販売」「ゲーム」「ショッピングモール」などが主をなしていたのに比べて、2月以降は「始業」「授業」「礼拝」などが多く言及された。
チョン・チェウン記者 シン・ジファン記者 chan2@donga.com · jhshin93@donga.com