現代(ヒョンデ)自動車は、来年に本格的な勝負をかけるために準備している電気自動車のブランドを「アイオニック(IONIQ)」に統一することを決定した。これまでの電気自動車は、従来の内燃機関車を電気自動車に変更したモデルだったが、来年からは電気自動車専用のプラットフォームで生産されたモデルを本格的に発売する予定だ。
10日、現代自は来年から2024年までに順次発売予定の専用電気自動車のブランド名をアイオニック(IONIQ)に決定したと明らかにした。アイオニックは、電気的な力でエネルギーを作り出すイオン(Ion)と現代自の独創性を意味するユニーク(Unique)の組合せだ。
現代自が、別の専用電気自動車のブランドを新たに設けるのは、最近急成長している電気自動車市場で統一したコンセプト・ブランドで主導権を確保したいという意志とみられる。
5月、市場調査機関「ブルームバーグ・ニュー・エネルギー・ファイナンス」によると、世界の新規乗用車のうち、電気自動車の割合は、2040年は58%に達するほど急成長すると見られる。電気自動車市場を先取りしようとする競争がますます激しくなるだけに、電気自動車専用ブランドの導入が急がれた。グローバル自動車メーカーでは、メルセデス・ベンツが「EQ」、BMWが「i」を電気自動車のブランドとして運用している。
現代自が準備しているアイオニックモデルは、△準中型クロスオーバー車(CUV)、△中型セダン、△大型スポーツ多目的車(SUV)の3種類だ。最初の車は、コンセプトカー「45」をモデルに来年披露する準中型CUVだ。2022年には「プロフェシー(Prophecy)」コンセプトカー基盤の中型セダン、2024年には大型SUVモデルが計画されている。
アイオニックブランドは、「アイオニック」に車両サイズなどを意味する数字を組み合わせた新しい車名体制も導入する。ドイツのプレミアムブランドが主に活用するこの車名システムは、文字と数字の組み合わせで、直感的で拡張が容易であるという利点がある。これにより、準中型CUVは「アイオニック5」、中型セダンは「アイオニック6」、大型SUVは「アイオニック7」と名付けることにした。ただ、既存のアイオニックの名で流通していた車種は、専用電気自動車のみに適用されるアイオニックブランドには含まれない。
アイオニックブランドは、ランプに幾何学的な形のピクセルを適用した「パラメトリックピクセル」を通じて、独自のデザインを披露する。また、次世代電気自動車専用プラットフォーム「E-GMP」が最初に適用され、充電時間が世界で最も短い20分である。また、一回の充電で450キロ以上を走行できるというのが会社側の説明だ。これと共に、室内空間を最大限にして、車両を移動手段を越えて様々な活動ができる「生活空間」へと拡張させる概念も適用する。現代自は、電動化技術だけに関心を置くよりは、顧客に新たなモビリティ経験を提供することに焦点を合わせたいという。
ブランドローンチと共に、「アイム・イン・チャージ(I'm in Charge)」キャンペーンを行うことにした現代自は、最初のイベントとして、先月30日(現地時間)、英国の「ロンドン・アイ」でアイオニックの「Q」を視覚化するキャンペーンを行った。現代自の趙源弘(チョ・ウォンホン)顧客経験本部長(副社長)は、「電気自動車についての新たな視点で、お客様に環境に配慮したライフスタイル基盤の進歩した電動化経験を提供したい」と明らかにした。
金道炯 dodo@donga.com