「行動しない良心は悪の側に立つことです」
1975年4月19日、ソウル中区(チュンク)のジェンセン記念館の演壇。
当時51歳だった政治家、金大中(キム・デジュン)氏は、咸錫憲(ハム・ソクホン)先生が発刊する月刊誌「シアルの声」創刊5周年時局講演会で、厳しい維新政権の監視にもかかわらず、このように主張した。1973年8月、東京で拉致され、殺害の危機を経験した後、初めて韓国で開かれた講演で、金氏は自身を象徴する言葉になった「行動する良心」を説明した。
延世(ヨンセ)大学金大中図書館が17日、金氏逝去11年(18日)を迎え、185分間の演説のうち「行動する良心」の内容が含まれた2分5秒間の音声資料を初めて公開した。維新政権治下で金氏が市民に公開演説をしたのはこの時が最初で最後だった。金氏は、「傍観は最大の羞恥であり、卑屈は最大の罪悪だ。皆共に国民として何か行動するなら、遠からず私たちの民主主義が回復することを保証する」と述べた。
当時、演説で大きい波紋を呼んだ「行動する良心」は、金氏が同年3月8日、東亜(トンア)日報1面下段に掲載された「国民に訴えますー東亜を守りましょう」と題する後援広告で初めて使われた。1974年から当時の政権が東亜日報に対する広告弾圧を続ける状況で、金氏は「行動しない良心は悪の側」とし、市民に東亜日報に対する支持と支援を呼びかけた。
金氏は逝去2ヵ月前の2009年6月11日、「6・15南北共同宣言9周年記念式」でも、「行動する良心」を再び主張した。金氏は、「正しく生きる国を作るには、行動する良心にならなければならない。行動しない良心は悪の側だ」と強調した。
金大中図書館は17日、音声資料を公開し、「『行動する良心』は独裁に対する抵抗は心の中だけではなく、実際に行動につながらなければならないという主張を圧縮した表現」と説明した。
チ・ミング記者 warum@donga.com