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天を流れる川

Posted August. 22, 2020 08:12,   

Updated August. 22, 2020 08:12

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キリスト教の聖書によると、天地創造時に、神が水の真ん中に天を作って、天の上の水と天の下の水を引き離して天の下の水を一カ所に集めて海を造られたという。創造神話を伝承してきた古代人たちは、天の上にも海と同じくらいの多い水があると信じていた。今回の梅雨で、天に穴でも開いたのか、多くの雨が降り注いだことを見れば、古代人の信仰が分かるような気がする。

最近、科学界では、天の上を流れる川の研究が注目を集めている。地と海から蒸発した水蒸気が大気中に集まって、長い帯の形で移動する現象がまるで天を流れる川のようで、大気川(Atmospheric River)と呼ばれる。大気川の中には、地球上で最も長い川であるアマゾンの川水より2倍以上多い水蒸気を含んだものもある。これらの大気川が、天の上に3~5個漂流しながら地球に水蒸気を循環させている。熱帯や亜熱帯地域で作られた水蒸気の90%以上が、大気川を通して涼しくて乾燥した高緯度地方に移る。大気川は、大雨と洪水の原因にもなる。国立気象科学院の研究によると、南部地方の夏の降水量の35%以上が大気川の影響のためだという。

海では、年間海面を1メートルも下げるほどの水が蒸発して天に上がって、その分の降水量が雨や雪として再び地表に降りてきて、最終的に海面は一定に維持される。気温が上がれば蒸発量も増えて、その分、降水量も多くなる。気温が1度上がるたびに、大気中の水蒸気量は7%増加する。地球温暖化が続いて、熱くなった地球はより多くの水蒸気を大気川に供給し、私たちはいつ降り注ぐか分からない膨大な量の水を頭に載せて生きていくことになる。これらの大気川が、大雨や洪水などの不規則な気象異変の形で現れることが問題だ。特に台風や梅雨と組み合わせれば、甚大な被害をもたらす。

夏に熱くなった海水が噴き出す水蒸気をエネルギー源として作られる台風も、最近、地球温暖化によってその威力が徐々に強くなっている。今年4月から、地球の平均気温が記録的に上昇しており、特に台風発生水域の海水温度が平年より高く維持されているので、このように蓄積されたエネルギーが超大型台風に発展する可能性が徐々に高まっている。

大気川と台風は、熱くなった地球の熱を分散させてバランスを取る自然の自己調節現象だ。しかし、地球温暖化によって、自己調節機能が徐々に過激に現れており、私たちがこれにきちんと準備しなければ、自然のバランス活動の結果は大雨と洪水の被害として現れることになるだろう。過去50年や100年周期で現れそうな集中豪雨は、今や毎年繰り返される日常になる可能性が高い。地球温暖化の原因で天を流れる大気川の数量が増えれば、その水を地で受け止める川の水のボウルもそれだけ大きくならなければならない。今回の集中豪雨で被害を受けたところが、整備されていない川や河川であれば、これらを整備することが常識的な対応だろう。