トランプ米大統領が与党共和党の全国大会初日の24日(現地時間)、「再選時、海外駐留米軍の撤収、同盟国に対する駐留米軍経費の負担増を求めていく」考えを明確にした。「韓国に25万の雇用を提供したおぞましい米韓自由貿易協定(FTA)を改正した」という自画自賛も繰り返した。
● 「強い交渉家」、対北朝鮮外交の成果を強調
トランプ氏の選挙対策チームが発表した「政権2期目の公約」では、海外駐留米軍の帰還、同盟の公平な駐留米軍経費の負担を外交政策分野の最上位の項目に掲げた。政権1期の「米国第一主義」外交を強化することを明示したことで、トランプ氏の再選時、在韓米軍駐留経費の負担をめぐる交渉で韓国の増額を迫るとともに、在韓米軍縮小カードを再び取り出す可能性が高まった。
選挙対策チームは全国大会で、トランプ氏の外交安保の成果を紹介し、北朝鮮との交渉を例に挙げた。大統領の「強い交渉家」の一面を強調する際、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の姿や正恩氏が主宰する会議の場面が登場した。また、北朝鮮に拘束されて送還された米国人3人をトランプ氏が直接空港で迎える映像も繰り返し見せた。
応援演説に出たニッキー・ヘイリー前国連大使は、オバマ前大統領と民主党大統領候補のバイデン前副大統領を攻撃した。ヘイリー氏は、「オバマ氏とバイデン氏は北朝鮮が米国に脅威になるよう放置した。トランプ大統領はこのような弱さを拒否し、史上最も強力な対北朝鮮制裁を通過させた」と主張した。
このほかに、△中国から100万個の製造業雇用を取り戻す、△中国にアウトソーシングする企業の連邦政府契約の禁止、△中国に新型コロナウイルス感染拡大の責任を問うことなどが「2期目の政権公約」に含まれた。経済分野では10ヵ月で雇用1000万創出、100万の新規中小企業の創出、減税などを掲げた。世界最高の第5世代(5G)移動通信システムのインフラ構築、宇宙軍創設なども含まれた。
●支持者が歓呼・・・民主党のオンライン全国大会と差別化
共和党はノースカロライナ州シャーロットのコンベンションセンターで開かれた全国大会の初日で、州別で確保した代議員数を発表する「ロールコール」を行い、トランプ氏を大統領候補に確定した。ホワイトハウスからシャーロットに移動したトランプ氏は、当初別の場所で演説する予定だったが、空港に着くやいなや大会会場に移動した。
突然登場したトランプ氏を見て、支持者らが「あと4年」と叫ぶと、トランプ氏は「本当に民主党を怒らせたいなら『あと12年』と言った方がいい」と話した。米大統領の任期は最大8年ということを知りながら、大統領を4期務めたいと冗談を飛ばした。
トランプ氏は1時間以上演説し、民主党を批判した。トランプ氏は、「民主党が新型コロナウイルスを利用して選挙を盗もうとする」とし、「われわれからこの選挙を奪える唯一の方法は、これが不正選挙だった場合だ」と攻撃した。民主党が要求する郵便投票制度の拡大をめぐって「公正ではなく間違っている。私が負ければ、選挙が操作された」とし、繰り返し不服の意向を表わした。
選挙対策チームは、ほぼすべてオンラインで行われた民主党の全国大会と差別化を図ろうとした。新型コロナウイルスにもかかわらず、336人の代議員が会場を訪れ、多くがマスクをしていなかった。トランプ氏は同日、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼び、自身に責任がないことを強調した。
演説した大統領の長男、トランプ・ジュニア氏と彼の恋人で選挙対策チームで資金調達を担当するキンバリー・ギルフォイル氏、共和党の唯一の黒人上院議員ティム・コットン氏らは民主党を急進左派、米国に対する脅威などと攻撃した。特に、トランプ・ジュニア氏は、バイデン氏について、「『ネス湖の怪物』のようだ。半世紀の間うろつき、大統領になろうと頭をもたげては消えていった」と批判した。
一方、ジェフ・フレーク元上院議員ら24人以上の共和党元議員は同日、バイデン氏を支持する方針を表明した。
ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com