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韓国ジャズ界のゴッドマザー、故パク・ソンヨンの未完の曲「秋の歌」を来月公開

韓国ジャズ界のゴッドマザー、故パク・ソンヨンの未完の曲「秋の歌」を来月公開

Posted August. 26, 2020 09:45,   

Updated August. 26, 2020 09:45

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23日に亡くなったジャズボーカル・パク・ソンヨン氏(写真)の未完の曲が来月公開される。

元老ジャズベーシスト・チャ・ヒョンさん(69)は、「パク先生が発表するために準備した曲『秋の歌』を、9月初めにCDとデジタル音源で出す計画だ」と、25日明らかにした。

「秋の歌」は、チャ氏が作詞、作曲、編曲して、昨年、パク氏に渡した曲だ。故人は昨年9月、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「チャ氏から『ある秋の日』という新曲を受けた。最初のタイトルは『ディーバの秋』だったが、あまりにもきまり悪くて、どうかディーバ(ずば抜けた女性歌手)という言葉を外してほしいと頼んだ。一生懸命練習して、絶対CDで発売したい」と意志を固めた。このインタビューは故人の最後のメディアとのインタビューとなった。

チャ氏は、「一緒に『秋の歌』の歌唱練習をした直後の昨年10月、パク先生が急に集中治療室に運ばれた。新型コロナまで起きて面会さえ制限されて、これ以上作業を進めることができなかった」と残念がった。

故人の状態が危険になると、チャ氏は後輩ジャズ歌手・チェ・ヨンミン氏(62)に、この曲の歌唱録音を代わりに頼んだ。2ヶ月前に録音を終えたが、故人はすでに病状が深刻になって、ついに完成本を聞くことができなかった。

25日に記者が先に聞いた「秋の歌」は、故人の寂しい退場を予見したように気がする。このような歌詞で始まる。

「過ぎ去るあの夏が残念で、秋雨があのように降るのか/煌びやかだった若い日の熱い日々、葉のように枯れていき…」

雨音のようなドラムのブラシ(brush)、静かなトランペットの演奏で彩った物悲しいジャズバラードだ。チャ氏は、この歌を盛り込んだ自分の2回目のアルバムのタイトルを最初から「秋の歌」に決めて、アルバムの裏紙に故人と撮った写真や作品についての考えを載せた。氏は、「2018年、パク先生の健康が悪化したことを見て、歌えるようになった時に新曲をレコーディングできるようにお手伝いしたくて、曲を書くようになった」と語った。

故人は、韓国ジャズ界のゴッドマザーだ。1978年にクラブ「ヤヌス」(現「ディーバヤヌス」)を建てて運営した。韓国の資本で作られた韓国初のジャズライブクラブだ。赤字に苦しみながらも、数十年間、国内演奏者たちの舞台を守った。チャ氏もヤヌス出身だ。

「1989年、あそこでジャズを始めました。私にとってヤヌスがなかったら、このように演奏者として生きることはできなかったでしょう」

氏は、「20日、パク先生に最後にお会いしたが、会話が困難な状況でも笑顔で迎えてくれた姿が生々しい。もう少し急いで曲をささげられなかったことが悔しい」と語った。

「故人はジャズを固く守ったので、容易でない道を歩きました。いつも姉のようにたくましくしていたパク先生の気性が思い浮かびました。遅れて申し訳ありません」


イム・ヒユン記者 imi@donga.com