「安倍晋三首相が退かない限り、日韓関係は改善されないでしょう」
日本政府が昨年7月、半導体素材3品目に対する輸出規制や輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」(輸出優遇国)のリストから韓国を除外する政令を公布したことを受け、日本の知識人らと輸出規制撤廃署名運動「韓国は敵なのか」を繰り広げてきた和田春樹・東京大名誉教授(82)に、東亜(トンア)日報が26日、インタビューした。
和田氏は、「署名運動から1年間、日韓関係はどれほど改善されたか」という問いに、「安倍首相が今年の施政方針演説で、韓国を『基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国』と明らかにしたことから最悪の状況は回避したが、根本的な関係改善の兆しは見られない」とし、「日本は韓国を敵だと思って暮らしていくことはできない」と述べた。
和田氏は昨年、日本の輸出規制措置直後の7月、日本の知識人75人と共にウェブサイトを開設し、韓日関係の改善を求めるキャンペーンを行い、同年8月末までに9463人の署名を集めた。
和田氏は、元徴用工判決にともなう日本企業の資産現金化を懸念し、「韓国は敵なのか」キャンペーンよりも強硬なスローガンである「安倍首相退陣」を叫んでいる。和田氏は最近、健康不安説に包まれた安倍氏について、「健康が問題なら任期前の退陣も避けられない」とし、「新しい首相が日韓関係を再構築しなければならない」と強調した。
「ポスト安倍」とされる政治家の中で韓日関係のために誰が適切か尋ねると、和田氏は「政権のナンバー2である麻生太郎副首相兼財務相や菅義偉官房長官であってはならない」とし、「安倍氏の政治的ライバルとされる自民党の石破茂元幹事長や2015年に日韓慰安婦合意の経験がある岸田文雄政調会長は日韓関係で安倍氏ができなかったことができるだろう」と分析した。石破氏は最近、次期首相世論調査でトップを走り、岸田氏は安倍氏が事実上「後継者」に指名した人物だ。
和田氏は、元徴用工問題を解決するには2015年の韓日慰安婦合意に対する整理が先行しなければならないと主張した。和田氏は、「安倍氏の後の日本の新しい首相と日韓首脳会談を行い、2015年の合意を補って完成させることが必要だ」とし、「そうなれば日本の国民も元徴用工問題に知恵を集めて協力するムードになるだろう」と話した。また、韓国内の日本製品不買運動については、「不買運動よりも日韓の政府、企業、国民が協力するムードが現れてこそ日韓関係が根本的に解決されるだろう」とし、そのような意味で「いつでも日本政府と向き合う準備ができている」という文在寅(ムン・ジェイン)大統領の8・15演説を「良いメッセージ」と評価した。
1938年生まれの和田氏は、戦争を体験した世代が安倍氏ら戦後世代に植民地支配の反省について教育をもっとしなければならなかったと残念がった。また、「安倍政権は外交、新型コロナウイルスに対するお粗末な対応で国民の信頼を失い、(政権の)『転換』が可能な時期が近づいている」と見通した。和田氏は、新しい首相が選出されれば、韓日関係を含め安倍氏ができなかった政策を推進することを求める新たなキャンペーンを行う予定だと明らかにした。
一方、安倍氏は28日に記者会見を行い、自身の「健康不安説」を否定すると、共同通信が25日付で報じた。同通信によると、自民党のある幹部は、「安倍首相が健康不安説について自ら説明した方がいい。(記者会見で)健康だと話すだろう」と明らかにした。
東京=キム・ボムソク特派員 bsism@donga.com