Go to contents

「経済戦時」に不要不急・人気性支出をさらに増やした過去最大の赤字予算案

「経済戦時」に不要不急・人気性支出をさらに増やした過去最大の赤字予算案

Posted September. 02, 2020 08:57,   

Updated September. 02, 2020 08:57

한국어

政府は、昨日開かれた閣議で、555兆8000億ウォン規模の2021年予算案を議決した。これはスーパー膨張予算という評価を受けた昨年の予算よりも8.5%がさらに伸びたものだ。来年の予想総収入はほぼそのままなので、総収入と総支出の増加率の差はマイナス8.2%ポイントと拡大される。このようなギャップを埋めるために、過去最大の89兆7000億ウォンの赤字国債の発行計画が組まれている。

新型コロナに対処するために、果敢な膨張予算を編成したのは避けられない側面がある。輸出と内需の両方が崩れた状況で、いわば「韓国版ニューディール」を通じた景気回復と失業者・零細自営業者を含む脆弱層救済のための支出は、政府財政の役割でもある。

ところが問題は、「経済戦時状況」に応じて予定になかった支出が大幅に増加すれば、それを考慮して不要不急な項目は減らすことが常識だが、政府予算案はかえって正反対に進んだ。直ちに急を要しない項目は減らし、雇用維持と創出、内需景気の活性化、脆弱階層保護などに焦点を合わせて集中的に支援が行われるべきなのに、いざ予算増加の大部分は経済難への対処とは無関係な人気を得るための新規事業だ。

例えば、全面的な高校無償教育を当初の計画より1年前倒して来年から実施し、将兵士気高揚のための散髪費支援・給料引き上げなど、先送りできる事案がたくさんある。特に、今回の政府の任期内に17万4000人をさらに増やすという公務員の増員方針に基づいて、来年も3万人ほど増やす予算も編成されたが、今、国の資金をこんなところに使うほど暇な時か問わざるを得ない。

経済危機に見舞われて財政の役割拡大が重要だとしても、日増しに増えている国の借金も心配せざるを得ない。前の政府までは心理的マジノ線とされてきた国内総生産(GDP)に対する国家債務比率40%は、崩れて久しい。今年の本予算と3度の補正予算を通じてすでに43.5%に達している。今回の予算編成案から見たとき、来年は46.7%に上昇し、2024年は欧州主要国並みの58.3%に達すると見込まれている。国の経済の安定運営と対外信用度の支えである財政健全性が、このように急速に崩れることをこれ以上放置してはならない。

今年と来年の国の財政だけは、政府が自ら指したように 「経済戦時状況」に合わせて運営されなければならない。普遍的福祉に割り当てられた項目、経済再生とは無関係な支出などは維持もしくは縮小して、これをコロナ危機にふさわしい項目に回す果敢な調整作業が必要だ。今、政府予算案は国会に移った。臨時国会で見せた独走する与党、無力な野党ではなく、予算審査の過程でだけは、危機意識を持って、民生と未来世代を心配する姿を見せてほしい。