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トランプ氏が戦死米兵を「負け犬」「まぬけ」呼ばわり、米誌報道が大統領選の新たな争点に浮上

トランプ氏が戦死米兵を「負け犬」「まぬけ」呼ばわり、米誌報道が大統領選の新たな争点に浮上

Posted September. 07, 2020 08:14,   

Updated September. 07, 2020 08:14

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トランプ米大統領が戦死した米兵を「負け犬」や「まぬけ」と呼んだという報道の後、批判が高まっており、11月3日の米大統領選の新たな争点に浮上した。与党共和党を支持する軍人社会や親トランプ指向のFOXニュースまで批判し、4年前の大統領選で支持した一部軍人が背を向ける兆しを見せており、トランプ氏側は対策に苦慮している。

米時事メディア「アトランティック」は3日、トランプ氏が2018年11月、第1次世界大戦終結100年の記念式に出席するためにフランス・パリを訪問した際、米兵が埋葬されている墓地を訪問する日程の報告を受け、「なぜ行かなければならないのか。負け犬が眠っているだけだ」と発言したと暴露した。

当時ホワイトハウスは、悪天候でヘリコプターが飛べないため訪問計画を取り消したと明らかにした。しかし、実際は、大統領が雨で髪型が乱れるのを嫌い、墓地訪問が重要でもないと考えて取りやめたとういことだ。FOXニュースの国家安全保障担当記者のジェニファー・グリフィン氏も、「大統領が米軍戦死者を負け犬と呼んだのは事実」と伝えた。大統領が当時、別の対話で、フランス北部「ベローウッドの戦い」で死亡した1800人の米海兵隊を「まぬけ」と呼んだと、アトランティックは伝えた。

戦死した兵士に敬意を示すことを重要視する米国で、軍最高司令官が兵士を侮辱したという報道をめぐって、退役軍人の団体などから批判の声が上がっている。関連団体は直ちに非難声明を出した。参戦した兵士や現役軍人の家族が、「私の夫、父、息子はまぬけではない」と批判する動画も登場した。米紙ワシントン・ポストは、4年前の大統領選でトランプ氏を支持した軍人のうち、今回の発言で大統領に背を向ける人がいると報じた。

民主党大統領選候補のバイデン前副大統領は、「おぞましい発言だ。私の息子はまぬけではなかった。軍に敬意を示さない人は軍を統率することはできない」と謝罪を求めた。バイデン氏の長男のボー氏は2008~09年にイラクで服務し、15年に脳腫瘍で亡くなった。

トランプ氏は度々参戦兵士を蔑視して非難を受けた。トランプ氏は15年に、ベトナム戦争で捕虜になった共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員に対して、「戦争英雄だから捕虜になったのではなく、捕虜になったから英雄と呼ばれた」とし、「捕虜にならない人間のほうが好きだ」と発言した。

17年にアーリントン国立墓地を訪れた際、海兵隊隊長だったジョン・ケリー国土安全保障省長官(当時)の息子の墓の前で「理解できない。(国のために犠牲になって)どういう得をしたんだ」と述べた。ケリー氏の息子ロバート氏は10年にアフガニスタンで戦死した。01年の9・11テロ以降、交戦で死亡した唯一の米将軍の息子だった。当時、その場にいた将軍は、「大統領は取引関係でなく人のために何かをするという考えを理解できなかった。国のために服務することは金とは関係がない」と批判した。

批判の声が高まると、トランプ氏はアトランティックの報道は左派が介入した意図的な歪曲記事とし「でっちあげだ。英雄にそのように言ったとはないと誓える」と主張した。また、ツイッターにも「悪辣な急進左派は大統領選で勝つために何でもするだろう」と投稿した。また、グリフィン氏を非難し、「FOXニュースは消えた。グリフィンは解雇されなければならない」と主張した。メラニア夫人やエスパー国防長官も大統領をかばったが、波紋は広がっている。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com