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確かに少女の成長を描いた映画だけど…11歳の女の子の体をなめるようなカメラワークに疑問

確かに少女の成長を描いた映画だけど…11歳の女の子の体をなめるようなカメラワークに疑問

Posted September. 24, 2020 08:17,   

Updated September. 24, 2020 08:17

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「ネットフリックスへの登録をキャンセルしよう(Cancel Netflix subscription)」

世界中から請願が上がってくるウェブサイト「Change.org」に今月中旬に掲載されたものだ。この請願に23日基準で65万8000人余りが参加した。インスタグラムやツイッターでも「#Cancelnetflix」「#boycottnetflix」のようなハッシュタグをつけた掲示物が数万件掲載される。「ネットフリックスのサブスクリプション解除認証ショット」を掲載する人もいる。

このようなボイコットの動きを触発したのは、今月9日に公開されたネットフリックスのオリジナル映画「キューティーズ(Cuties)」だ。フランスの監督・マイムナ・ドゥクレのこの映画は、パリ郊外のスラム街、保守的なイスラム教徒の家庭の11歳の少女エイミーが、学校の友達とダンスコンテストに参加することになり、静粛を求める家や宗教の抑圧から抜け出す過程を描いた。

しかし、今年初め、米サンダンス映画祭ワールドシネマ監督賞を受賞したこの映画は、幼い児童たちの扇情的なダンスと、これを隅々まで撮るカメラアングルが児童を性商品化しているという世界的な論議の中心に立った。

最も議論となったシーンは、映画の半ば以降エイミーと友達が結成したダンスチーム・ミニョン・(Mignonnes・「かわいいこ」という意味のフランス語)が、ヘソだしTシャツとショートパンツを履いて床に伏せてお尻を上下に振るトゥワーキング(twerking)とウェーブをする三つのシーンだ。子供たちが舌を出したり、指を口に咥えたりするが、この時、カメラはエイミーのお尻、お腹、太ももなどをクローズアップしながら隅々まで撮る。このシーンが「小児性愛者(pedophile)の欲求を満たす」として、ネットフリックスを「Pedoflix」と皮肉る造語も登場した。

キューティーズに批判的な人々は、「映画のメッセージには共感できるが、これを表現する方法には問題がある」と口をそろえる。

チェ・ジェフン映画評論家は、「少女を眺める監督の視点と女の子たちの肉体を、大人の目で見て全体をとらえるカメラの視線に明らかに問題がある」とし、「セリーヌ・シアマ監督の映画『トムボーイ』にも、少年になりたがる10代少女のヌードが頻繁に登場するが、カメラは一度もその肉体を対象化していない」と話した。映画演出を専攻したチョン・ヨンスさん(26・女)は、「骨盤やお尻をクローズアップするシーンで、大人の男性の視線が感じられた。11歳の少女たちが見た女性性を盛り込もうとするなら、このような演出は出来得なかっただろう」と指摘した。

ネットフリックスとドゥクレ監督は、「ソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて作られた女性性というイメージを、最近の子供たちが無批判的に模倣する現実を指摘しようとした」と反論している。ドゥクレ監督はネットフリックスとのインタビューで、「SNSが重要になった現代社会で、女の子たちが女性性をどのように感じ、自らのイメージをどのように作っていくのか研究した。子供たちは性的魅力のある女性をより素晴らしいと感じ、これを無批判に受け入れて真似するが、これは非常に危険であることを言いたかった」と明らかにした。ネットフリックスも、「子供の性的対象化に反対する社会的な声を出した映画だ」と声明を出した。

しかし、「映画の主題意識が覗き見の視線を盛り込んだ演出を正当化することはできない」という指摘が出ている。パク・ウソン映画評論家は、「映画は社会的弱者を再現できるが、被写体を見世物にしようとする欲望を含んでいるなら、それは性の商品化だ」とし、「映画『インサイダーズ/内部者たち』に出てくる飲み会で裸の女性をショーウィンドウマネキンのようにカメラを通したり、映画『帰郷』で性的暴行のシーンを天井から撮影して、見物しているような感じを与えたカメラアングルと同じだ」と指摘した。

一方、映画が基本的に含んでいるメッセージに集中しなければならないという声もある。ヤン・ヒョシル芸術評論家は、「少女が過去の『伝統』とインターネット文化が象徴する『新しさ』の間で苦しむ葛藤、初経を通じて女性になっていく過程で感じる分裂、目的に向かって疾走する情念の主体など、多くのことを映画に込めた」とし、「少女たちの過剰性愛化を問題にすることはできるが、カメラはかえって4人の女の子を自分の一部として抱きしめていると受け止めることもできる」と語った。

イ・ジユン・インターン記者(延世大学UIC経済学科卒)、イ・ジユン・インターン記者(延世大学生活デザイン学科が4年生)


金哉希 jetti@donga.com