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野党も「大統領企画商品」を作る時が来た

野党も「大統領企画商品」を作る時が来た

Posted October. 05, 2020 08:47,   

Updated October. 05, 2020 08:47

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神聖貴族の誕生だ。罪を犯しても罰を受けない「社会的特殊階級」。韓国憲法は明示的にこれを禁止する。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権になって大統領に近い与党要人の不正疑惑シリーズ、特に曺国(チョ・グク)、尹美香(ユン・ミヒャン)、秋美愛(チュ・ミエ)事態を経て、このような新貴族の出現を目の当たりにした。検察や警察などの権力機関だけでなく、裁判所、中央選挙管理委員会、国民権益委員会などの審判機関、さらに大法院といった最後の砦まで、神聖貴族の保護のために服務するようだ。権力分立、三権分立は言葉だけで、実践しない「口頭禅」になって久しい。

しかし、一般国民「カブンゲ(ザリガニ、フナ、カエル)」の命は軽すぎるほどに軽い。西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)の北朝鮮側で北朝鮮軍によって射殺された公務員をあのように「捨てた子ども」扱いするのが国なのか。越北かどうかは別として、漂流した人を射殺して遺体を燃やしただけでも北朝鮮に報復して然るべきだ。にもかかわらず、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「謝罪」云々を皇帝の教旨のように称賛し、感泣する大統領以下与党の要人・・・。語る言葉もない。

そのうえ、反政府デモを阻止すると「在寅山城」を築いて職務質問までした。権力機関を掌中に収めた政権はますます暴走する。21世紀の最先端時代にこのような世の中が来るとは思わなかった。大統領が変わっただけなのに、このような国になるとは思いも寄らなかった。文氏は大統領候補の時から「大統領になるのは世の中を変える手段」と言ったが、文氏が成功したことを痛感せざるを得ない。文氏は歴代どの大統領よりも大韓民国を変えることに成功した。不公正で不義で不安な国に。それだけ韓国の政治と民主主義が人治に脆弱ということが如実に表われたのだ。

問題は次期大統領選だ。すでに与党内では「金慶洙(キム・ギョンス)待望論」が起こっている。文氏の側近中の側近であるうえ、新貴族の一員である金慶洙・慶尚南道(キョンサンナムド)知事が来月、2審で無罪宣告を受け、「文在寅の皇太子」に浮上するというシナリオだ。権力機関と司法府が左に急旋回する状況で、不可能な絵でもない。李洛淵(イ・ナクヨン)代表と李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事は与党ではあるが、まだ「自分たちの側」ではないというのが親文の考えだ。ここに曺国前法務部長官が無罪放免となって、李洛淵、李在明、金慶洙、曺国らが予備選挙を導いて行くという構図だ。

 

一方、野党はどうか。次の大統領選は2022年3月9日だ。1年5ヵ月しか残っていないが人が見えない。文政権が口にしたくもない失政を犯しても野党が浮上しない理由は自明だ。「年寄り」保守のイメージも大きな負担だが、今のところこれといった未来権力が見えない「不妊政党」だからだ。人治の陰から脱せない韓国政治と有権者の習性上、次期大統領候補が見えない政党に目がいかないのは当然だ。

野党「国民の党」は、文氏の誕生過程を振り返る必要がある。文氏は、親盧と左派・在野の勢力が合作した「大統領企画商品」だった。本人も政治をするつもりはなかったし、政治に合う人でもなかった。生涯の友の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領も「政治が全く合わない人」と評価したというが、最近になって盧氏の鋭い洞察力に感心する。

 

そのような人を親盧の核心と在野の元老が必死に説得して、今日の文大統領を作ったのだ。そこには一時、廃族に墜落したが、盧氏の悲劇で起死回生した親盧と李明博(イ・ミョンバク)に政権を奪われた左派団体と在野の切迫感があった。切迫感なら、今の「国民の力」と保守勢力の方があるだろう。与党は「さらに20年」を叫ぶが、20年でなく5年だけでも大韓民国がどうなるか分からない状況だ。

 

切迫感を持って野党式大統領企画商品を作ってみよ。それにはまず商品が「新商品」である必要がある。過去の大統領候補のような古い商品の包装紙を変えて包装し直しても、消費者の目を引くのには限界がある。金持ちのお坊ちゃんのようなセレブイメージの要人も時代精神に合わない。人生にストーリーがあり、未来のビジョンを感じることができる人物を発掘しなければならない。

 

今や、「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長も新しい人物を育てるために動く時だ。そうしてこそ「まだ欲を捨てていない」という声も聞こえなくなるだろう。金氏であれ野党の過去の大統領候補であれ大統領選だけは「私でなければならない」という錯覚を捨て、勝利のために膝を突き合わせなければならない。そうでなければ崖っぷちの大韓民国を絶壁の下に突き落す罪人として記憶されるだろう。