Go to contents

今年のノーベル文学賞は「非欧州、女性、体制批判作家」か

今年のノーベル文学賞は「非欧州、女性、体制批判作家」か

Posted October. 07, 2020 08:31,   

Updated October. 07, 2020 08:31

한국어

非欧州、女性、体制批判作家。

今年のノーベル文学賞は、相次いで傷ついた評判を挽回するために、この3つの組み合わせの安全な選択をするだろうか。毎年この時期になると注目されるノーベル文学賞の常連候補たちが、今年も帰ってきた。8日午後8時(韓国時間)の発表を控えて、受賞者の観測熱気が熱い。

海外メディアは、今年のノーベル文学賞は政治的・理念的議論のない「安全な作家」を受賞者に選ぶ可能性が高いと予想している。近年、ノーベル文学賞が相次いで議論を呼んだからだ。2018年は、審査員の配偶者が「Metoo」論議に包まれて、受賞者選定自体がキャンセルされた。昨年は、受賞者・ペーター・ハントケが、ユーゴスラビア内戦当時、民族浄化を行ったミロシェビッチに同調した事実が明らかになって、激しい非難を受けた。

英紙ガーディアンは、最近、地元メディアの報道をもとに、「今年はこれまでのスキャンダルを挽回し、賞の評判を守ることができる安全な選択をすると見られる」とし、「非欧州出身、女性作家、特に政治的・イデオロギー的・外形的なすべての面で、昨年論議となったハントケとは『正反対の作家』が受賞する可能性が高い」と予測した。

代表的に、米作家であるジャメイカ・キンケイド(71)が挙げられる。カリブ海の島国・アンティグア・バーブーダ出身のキンケイドは、ベビーシッターとして働いた経験を書いた自伝的小説「アニー・ジョン」で、帝国主義と性的役割、伝統に縛られた教育体制を批判して大きな反響を起こし、植民地主義、人種差別、性平等を扱った多数の作品を執筆した。カナダの詩人・アン・カーソン(70)の作品も綿密に検討しているという観測が出ている。パピルスの断片に残った物語を現代詩語で再創作するなど、古典からインスピレーションを得た独創的作品で注目を集めた。

候補者や審査過程が徹底的に秘密にされるノーベル文学賞は、専門家の予想に劣らずギャンブルサイトでのオッズが、受賞者予測指標として活用されることもある。英国のギャンブル業者であるナイサーオッズやラッドブロークスで、今年最も有望な受賞者として有力な候補に挙がる人は、フランスの作家・マリーズ・コンデ(83)だ。代表作「わたしはティチューバ」で、17世紀の米国の魔女裁判で犠牲になった黒人女性の人生を描いた。世界のあちこちに散らばって生きていくアフリカ人の痛みを込めた作品で、2018年の代替ノーベル賞と呼ばれる「ニューアカデミー賞」を受賞した。

韓国内唯一の国際文学賞である朴景利(パク・ギョンリ)文学賞を受賞したロシアのリュドミラ・ウールリッツカヤ(77)、米国のマリリン・ロビンソン(77)、ケニアのグギ・ワ・ジオンゴ(83)の3人が、ナイサーオッズの配当率10位内に名を連ねて目を引く。ウールリッツカヤは、1992年に中編「ソーネチカ」を発表して、ロシア文壇と世界文学界から注目を浴びた。代表作「クコツキーの事例」も、作品性と大衆性を兼ね備えたという評価を受ける。アフリカ文学を代表する脱植民主義文学の代表作家であるグギ・ワ・ジオンゴも、今年も有力候補に挙がっている。

国内にも多くのファンを持つ日本の村上春樹(71)、昨年のブッカー賞を受賞した「侍女の物語」のカナダの作家・マーガレット・アトウッド(81)、中国の反体制作家・閻連科(62)も毎年、名前の挙がるノーベル文学賞の「常連候補」である。


パク・ソンヒ記者 teller@donga.com