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チョ・ソンギル氏の亡命情報公開、保護すべき情報の漏洩経緯を解明すべきだ

チョ・ソンギル氏の亡命情報公開、保護すべき情報の漏洩経緯を解明すべきだ

Posted October. 08, 2020 08:03,   

Updated October. 08, 2020 08:03

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2018年11月にローマで失踪した北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア代理大使が、昨年7月に入国していたという。あるメディアが6日、このような内容を初めて報道し、国会情報委員会野党幹事の河泰慶(ハ・テギョン)「国民の力」議員がSNSを通じて、韓国当局が国内で保護していることを確認した。これに対して、16年に脱北した元駐英公使の太永浩(テ・ヨンホ)「国民の力」議員は7日、「なぜこの時点で公表したのか。どのようにこれが明らかになったのか非常に懸念される状況だ」と述べた。

チョ氏の韓国定着が事実なら非常に幸いなことだが、その情報が漏れたことは、韓国政府が脱北者の保護を正しくしているのか深い疑念を抱かせる。チョ氏の失踪は、大使級高位外交官の脱北なので、世界の注目を集めた。しかし、チョ氏の娘は北朝鮮に送還された。そのため、チョ氏の韓国行きの公表を勧めた太氏も、「これ以上韓国に来るように言うことはできない」と残念がった。チョ氏が第3国でなく韓国に来た場合、変節者とされて娘に対する処罰が重くなるという理由だった。

このため、情報が漏れた経緯を明らかにしなければならない。国民の知る権利と脱北者の安全の間で報道を選択したメディアもその責任から自由ではないが、根本的には最初に情報を漏らしたのは誰なのか捜し出し、その意図と責任を問い、再びそのようなことがないようにしなければならない。誰が韓国政府を信じて生命と安全を託すだろうか。今回のことが、政治家出身の国家情報院長就任後に起こった「情報の政治化」とも無関係ではないという指摘も留意しなければならない。もしニュースで論議を覆い隠すといった旧時代の情報政治の意図が介入したなら、決して容認されず、厳重に責任を問わなければならない。

 

さらに、情報を確認した国会情報委も責任を避けることはできない。河氏は、「メディアの確認要請が溢れ、情報委与野党幹事の合意で確認することを決めた」とし、「国会次元の措置」だったと述べた。非公開を前提に機密の報告を受ける情報委員もすでに分かっていた内容というのだが、それでも脱北者と家族の安全がかかった事案を事実と確認する資格はない。この機に、国会情報委員の秘密厳守要件も見直さなければならない。