韓国軍が米国の最先端高高度無人偵察機(HUVA)グローバルホーク(RQ-4)4号機を先月非公開で引き渡しを受けたことが確認された。これにより、グローバルホーク4機の引き渡し手続きは終わったが、軍は計4機のグローバルホークのうち1機も導入の様子を公開しなかった。北朝鮮全域を監視できるグローバルホークの導入に北朝鮮が強く反発していることを考慮したものとみられる。
14日、国会国防委員会所属の与党「共に民主党」の金振杓(キム・ジンピョ)議員と防衛事業庁などによると、先月グローバルホーク4号機が韓国内のある地方の空軍基地に到着したことが確認された。1号機は昨年12月に導入された。軍は1号機の導入時、関連事実を明らかにしなかったが、メディアにグローバルホーク着陸の様子が捉えられ、導入を認めた。2、3号機の導入時も軍は公開しなかったが、4月に米国のハリス駐韓大使がツイッターに自身が撮ったグローバルホークの写真を投稿し、導入の事実が明らかになった。総事業費1兆1000億ウォンの予算が投入されるグローバルホーク導入事業の最後の4号機も、第21代国会国政監査の過程で確認された。国内に導入されたグローバルホーク4機は、地方の空軍基地に分散配備されるという。
軍のこのような態度は、北朝鮮の反発を意識したためと分析されている。
北朝鮮は昨年5月、「わが民族同士」など対南宣伝メディアを通じて、韓国軍のグローバルホーク導入事業に対して、「我々に対する露骨な敵対行為であり、朝鮮半島の平和と安定を破壊し、北南関係の破局を促進させる危険な軍事的妄動」と非難した。また「北侵戦争の導火線」、「危険千万な凶心」、「時代錯誤的な対決妄想」などの過激な表現を使って警戒心を露わにした。板門店(パンムンジョム)宣言2年となる今年4月にも、北朝鮮は「先端武装装備を導入する目的は、有事に(北朝鮮を)先制攻撃することにある」とし、「外勢とともに同族に対する侵略戦争の策動を本格的に行うと公言した対決宣言」と非難した。
北朝鮮がグローバルホーク導入に敏感に反応するのは、グローバルホークの偵察能力のためだ。グローバルホークは作戦半径が3000キロに達し、北朝鮮全域を監視できる。そのうえ32時間以上飛行し、高度20キロの上空からでも地上の30センチの物体を識別できる。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)、超大型放射砲など軍事的な動きを韓国軍が独自にリアルタイムで把握できるようになるのだ。国会国防委関係者は、「現在、北朝鮮の軍事的な動向の把握は米国の軍事監視衛星に主に依存しているが、グローバルホークが実戦投入されれば、韓国軍単独の情報力が比較できないほど高まる」と強調した。現在、グローバルホークを試験運用中の軍は、近く実際の作戦に投入する予定だ。
ただし、今後、グローバルホークの実戦運用で解決されなければならない課題も残っている。国会の予算政策処や防衛事業庁などによると、国内に導入されたグローバルホークに装着された敵味方識別装置(IFF)は、性能改善のアップグレードが必要だという。敵と味方を識別するIFFは、グローバルホークの核心システムだが、米国は第4世代(MODE-4)システムを終了し、第5世代(MODE-5)システムを開発している。このため、国内に導入されたグローバルホークも第5世代システムを装着しなければならない。防衛事業庁関係者は、「米国で開発が完了すれば、順次韓国軍も第5世代システムを導入する」と話した。
李恩澤 nabi@donga.com