「ベッドの上には幼稚園の卒業写真があり、本棚にはおもちゃや問題集もあって…」
有名芸能人の「ネット上での自宅紹介」ではない。とある10代の少女が、携帯電話の動画カメラで自分の部屋をゆっくりと映しながら、家具や様々なものを紹介する。おもちゃもあり、大事にするローションもある。はたして誰が普通の中学生の部屋を気にするかと思うがちだが、人気動画はクリック件数が100万件に迫る。
最近、10代の間で自分の「部屋紹介」のコンテンツが人気となっている。部屋紹介ユーチューバーは、その多くが小学生、中学生だ。家に遊びに来た友人に説明するように、細かく自分の部屋のあれこれを示す。自慢するつもりはない。お互いの部屋を見ながらコメントで意見を共有し、家具や小物の情報をやりとりする一種のオンライン上での友情構築であり、部屋を飾るゲームだ。
特に新型コロナウイルス感染症の拡大と、これによる遠隔授業の拡大によって家にいる時間が増えたことで、人気はさらに高まっている。「2008年生まれの一般的な部屋紹介」の動画をアップロードしたユーチューバー「テウォン」は、「新型コロナのために部屋にいる時間が増えたので、自然にきれいな部屋を持ちたいと思った」とし、「最近、私と同じ年齢の最大の関心事は部屋飾りと服の紹介だ」と話した。
刺激的な映像があふれる時代、部屋の紹介映像はさっぱりとしてクリーンな気さえする。悪質な書き込み(悪性コメント)はなかなか見当たらない。「部屋がとてもきれい」「あんな部屋が欲しい」とか、「今度引っ越すことになるが、机の情報を教えていただけますか?」のような丁寧に情報を要求するコメントが多い。
ユーチューブチャンネル「ソンジョンア一日」の運営者は、「日記をつけるように、楽しく映像を作って共有しながら、同じ年頃の友人と対話する感じだ」と話した。ユーチューバー「私は妖精」は、「映像の楽しさも重要だが、サブスクライバの中には7、8歳の子供もいるので、悪口を入れず、刺激的でないように作っている」と製作基準を説明した。
ただ、若い児童生徒だから、部屋の紹介に必要と思われる家具や小物を用意するには、両親の許可が欠かせない。中学2年生のユーチューバー「キョムジ」は、「家を飾る方法は、ひたすら数ヶ月も小遣いを集めることしかない。決済は両親が代わりにしてくれるが、あまりにも高価な製品でなければ、お金を出してもらう時もある」と話した。キョムジは、「毎日見ていた私の部屋が少しずつユニークに変わる過程が面白く、やりがいを感じる」と語った。
キム・ギユン記者 pep@donga.com