フィリップ・デービッドソン米インド太平洋軍司令官が20日に訪韓し、徐旭(ソ・ウク)国防部長官と元仁哲(ウォン・インチョル)合同参謀本部議長(空軍大将)に会って、韓半島および域内の安保情勢など様々な同盟懸案について議論したと、軍が明らかにした。
軍によると、徐長官とデービッドソン氏は、韓半島の完全な非核化と恒久的な平和の定着に向けて、インド太平洋軍の役割が重要だということで意見が一致し、韓米の外交的努力を軍事的に後押しできるよう堅固な合同防衛態勢を維持していくことを決めた。これに先立ち、デービッドソン氏は元氏と昼食を共にし、北朝鮮の軍事動向に対して意見を交わした。軍消息筋は、「北朝鮮が党創建の軍事パレードで公開した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM・北極星4)に対する評価と新浦(シンポ)付近のSLBM関連の動きが主に話し合われた」と話した。米大統領選(11月3日)を狙った北朝鮮の新型SLBMの発射など挑発の可能性も点検したという。
一部では、デービッドソン氏が米国の対中牽制戦略に韓国の協力を要請したという観測が流れている。米国が、中国をインド太平洋地域の最大の脅威と見なし、域内の同盟およびパートナー国家との軍事協力の強化を公言したため、韓国も「反中戦線」に積極的に参加してほしいというメッセージを迂回的に伝えた可能性がある。
一方、米軍の主力偵察機6機が同日、ソウルなど首都圏と西海(ソヘ・黄海)上空に展開し、北朝鮮を監視した。複数の軍用機追跡サイトによると、在韓米軍のガードレール(RC12X)4機とクレージーホーク(E5C)1機、米海軍のエアリーズ(EP3E)1機の計6機の偵察機がソウルをはじめ仁川(インチョン)近隣の西海上を長時間飛行した。すべて信号情報(SIGINT)を収集する偵察機という点で、北朝鮮のミサイル発射の兆候である電子信号や通信・交信情報を追跡したとみられる。軍当局者は、「米偵察機が1日に6機も投入されたのは、最近では珍しい」とし、「それだけ挑発可能性が高いということであり、偵察活動を公開して北朝鮮に警告メッセージを伝えたとみられる」と話した。
尹相虎 ysh1005@donga.com