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「来年の戦作権検証は困難」という米、文政権は「任期内移管」を断念し日程表を見直せ

「来年の戦作権検証は困難」という米、文政権は「任期内移管」を断念し日程表を見直せ

Posted October. 23, 2020 09:15,   

Updated October. 23, 2020 09:15

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米国が先週開かれた韓米定例安保協議会議(SCM)で、戦時作戦統制権(戦作権)の移管に向けた韓国軍の連合指揮能力検証を来年実施することは難しいと伝えたという。

韓国政府は、今年の韓米合同軍事演習の縮小で延期になった第2段階検証を来年前半に実施し、後半に第3段階まで終えるという構想だったが、米国は来年に第2段階検証を実施することも難しいとする立場だ。来年に検証が実施されなければ、現政権の任期内の戦作権移管は事実上、水泡に帰すことになる。

来年の検証日程も難しいという米国の立場は、戦作権の移管をめぐる韓米間の意見の相違を再確認させる。米国はすでにSCMで明確な態度を示した。エスパー国防長官は、「条件の早期具備」を掲げる韓国に、「時間がかかるだろう」と応じた。さらに、米国は具体的な移管時期に釘をさそうとする韓国に対して、来年の日程も難しいと線を引いたのだ。

 

政府の公式目標は、「任期内の移管」ではなく時期未定の「早期移管」だ。しかし、政府と軍は内部的に2022年初めを目標に定め、国防改革や防衛力増強計画を全てこれに合わせた。しかし、北朝鮮核交渉の長期膠着の中、合同軍事演習が取り消しまたは縮小され、新型コロナウイルスの影響まで重なって韓国軍の連合指揮能力の検証まで遅れ、支障は避けられなくなった。

最近の国会国政監査では、北朝鮮の核の脅威に対抗する戦力確保計画の欠陥が次々に明るみになり、北朝鮮は大規模な軍事パレードを行って新型戦略・戦術兵器を誇示した。戦作権移管の3条件、すなわち韓国軍の連合防衛主導能力と北朝鮮の核・ミサイルへの対応能力、韓半島安保環境造成のうちどれ一つ満たされず、むしろ条件が悪化している。にもかかわらず任期内の期限にしがみつく韓国を米国は不可解に見るだろう。

10日しか残っていない米大統領選は、韓国の安全保障と対外関係に少なからぬ影響を及ぼすだろう。しかし、選挙の結果がどうなろうと「条件に基づいた戦作権移管」の原則に変わりはない。国家の生存と安全がかかった問題を韓国の政治日程に合わせようと焦っても、米国の政治変動を機会にしようとしてもいけない。韓国政府の日程表にはすでに穴が空いている。空いた穴を埋める方法を講じ、日程表を組み直さなければならない。