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リハーサルスペースが舞台に、こじんまりだが大きな響き「インチュンアートホール」

リハーサルスペースが舞台に、こじんまりだが大きな響き「インチュンアートホール」

Posted November. 03, 2020 08:58,   

Updated November. 03, 2020 08:58

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ソウル芸術の殿堂・音楽堂の地下に、新しい演奏空間「インチュンアートホール」がオープンしました。

インチュンアートホールは、座席数が103席、面積は350平方メートルで、8月28日に完成しました。もともと芸術の殿堂・音楽堂のリハーサルスペースとして使われた場所でした。昨年、インチュン奨学財団が10億ウォンを寄付して、演奏ホールに変更する事業が始まりました。座席は、彗星(ヘソン)産業から寄付されましたが、自動除菌機能があり、新型コロナウイルス感染症の拡大のような状況で、防疫上の注意を守ることができるように設計されました。インチュンアートホールのための新しいスタインウェイ・コンサートグランドピアノも設けました。

先月29日、ここを訪れました。バリトンのキム・ギフンさんとソプラノ・ホン・ジュヨン氏が、その二日後に開かれた芸術の殿堂・芸術寄付コンサートの練習をしていました。大きくない空間であるからか、穏やかな歌も圧倒的な大きさの声が耳に飛び込み、細部まではっきりと聞こえてきました。

2016年ソウル国際音楽コンクールの優勝者であるキム・ギフン氏は、シン・グィボク作曲の歌曲「顔」を歌った後、「音が過度に鳴ったり、壁に吸音されすぎたりせず、歌いやすい音だった」と評しました。ピアノ伴奏を務めた金泉(キムチョン)市交響楽団常任指揮者のキム・ソンジン氏も、「演奏者の音がはっきりと伝わり、非常に伴奏しやすかった」と話していました。インチュンアートホールのドアを開けて出てくると、広い地下空間にロビーがあり、演奏者と観客が出会いの時間を持つにも適していました。

芸術の殿堂の音楽堂は1988年のオープン当時、コンサートホールとリサイタルホールの二つの演奏スペースがありました。2505席規模のコンサートホールは、大規模な交響曲や合唱曲、354席のリサイタルホールは、小さな規模の室内楽とリサイタルを開くのに適したサイズです。2011年10月には、中規模の室内楽コンサートに最も適した600席のIBKチャンバーホールがオープンしました。したがって、インチュンアートホールは、この建物の中に9年ぶりにできた四番目で最も小さな演奏ホールになります。

芸術の殿堂は、韓国の代表的なクラシック公演会場であるだけに、演奏の機会を得るのが困難でした。リサイタルや独唱会が頻繁に開催されるリサイタルホールの場合、昨年は平均5.5対1の施設利用の競争率を記録しました。芸術の殿堂は今後、インチュンアートホールがこのような高い競争率を緩和するのに役立つものと期待しています。また、これまで演奏の機会を得るのが大変だった新人などに、機会を与える案を検討しているといいます。公演時間も夕方の時間に限らず、様々な時間帯を実験するという計画です。

今月10日から13日までは、インチュンアートホール開館記念フェスティバルが開かれます。10日は韓国フェスティバルアンサンブルが開かれ、11日はフルーティスト・イ・イェリンとアンサンブルフレックス、12日はキム・ガオントリオ、13日はピアニスト・アン・ジョンドさんのコンサートが続きます。当初は9月にオープンする予定でしたが、新型コロナの影響で二ヶ月遅れました。

小さいながらも、新しい会場のインチュンアートホールの姿は、ユーチューブチャンネル「ユユンジョンチューブ」で会うことができます。インチュンアートホールのほか、芸術の殿堂の音楽堂の向かいにある書道館も、最近130席規模の空間である未来アートホールが試験的にオープンしました。インチュンアートホールよりやや大きく、公演だけでなく、映像の上映や教育プログラム、セミナーなどにあまねく利用できる多目的スペースです。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com