SKイノベーションの素材子会社であるSKアイイーテクノロジーの中国常州の分離膜工場が、本格稼動を開始した。SKアイイーテクノロジーの最初のグローバル海外生産拠点といえる。SKイノベーションは、中国で電気自動車バッテリーのコア素材である分離膜の生産拠点を拡大することで、世界最大の電気自動車市場である中国攻略に乗り出す計画だ。
10日、SKイノベーションによると、SKアイイーテクノロジーの中国常州の分離膜新工場は、年間3.4億平方メートルを生産できる。これは、31GW(ギガワット)規模の電気自動車バッテリーに供給できる水準だ。これにより、SKアイイーテクノロジーは、忠清北道曽坪(チュンチョンブクド・ジュンピョン)工場(5.3億平方メートル)を含めて、年間生産能力を8.7億平方メートルに高めることになった。SKアイイーテクノロジーは、中国のほか、欧州市場攻略のためにポーランドに計6.8億平方メートル規模の分離膜生産拠点を建設している。この工場は、来年第3四半期(7~9月)に本格的な稼動を開始する予定だ。
これにより、中国常州に7.5GWh(ギガワット時)規模のバッテリー工場があるSKイノベーションは、安定的な分離膜供給網を確保することになった。また、塩城に建設している10GWh規模のバッテリー工場が来年初めに本格稼動を開始すると、急成長している中国電気自動車市場の攻略に有利な足掛かりを確保できると見ている。
分離膜は、陰極材、陽極材、電解液と一緒に電気自動車バッテリーの4大コア素材の一つだ。グローバルバッテリー業界では、今年の約41億平方メートルの分離膜市場規模が、2025年は約159億平方メートル規模へと4倍近く成長すると予想している。
バッテリー業界の関係者は、「分離膜市場は、東レ、旭化成などの日本企業が事実上独占している」とし、「韓国で唯一分離膜を製造するSKアイイーテクノロジーが、2003年に分離膜開発に参入してから17年ぶりに有意味な成果を出している」と語った。SKアイイーテクノロジーのノ・ジェソク社長は、「世界最大の電気自動車市場である中国に生産拠点を設けて、グローバル分離膜市場での事業競争力を高めることができるようになった」と語った。SKアイイーテクノロジーは、2023年末まで計18.7億平方メートル規模の分離膜生産能力を備えて、グローバル市場で30%のシェア確保を目指している。
SKイノベーションは、グローバルバッテリー市場で比較的後発走者に挙げられるが、昨年初めて10位圏に進入後、今年9月はLG化学、中国CATL、日本のパナソニックに次いで、市場シェア(出荷量基準)4.7%で4位につくなど、急成長を見せている。今年末の受注残高は550GWhに達する。先月30日、SKイノベーションのユン・ヒョンジョ・バッテリー事業支援室長は、第3四半期(7~9月)の業績発表のカンファレンスコールで、「米国、欧州などに建設している世界的な生産工場が稼動を開始し、受注残高内の物量の本格的な販売が開始されれば、2021年に3兆ウォン半ば、2022年は5兆ウォン半ばの売上達成を期待している」と明らかにした。
ソ・ドンイル記者 ホン・ソクホ記者 dong@donga.com · will@donga.com