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組織的な証拠隠滅が判明した原発捜査をこれ以上問題視するな

組織的な証拠隠滅が判明した原発捜査をこれ以上問題視するな

Posted December. 07, 2020 08:39,   

Updated December. 07, 2020 08:39

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月城(ウォルソン)第1号機原子力発電所(原発)の早期閉鎖決定に関連して、大統領府への報告文書などを削除した産業通商資源部(産業部)の公務員2人が、4日拘束された。昨年12月、監査院・監査官との面談前日の日曜日深夜に事務所に出て、関連文書のファイル444件を大量に削除した行為に対して、裁判所が組織的な証拠隠滅の可能性が高いと判断したのだ。

これまで与党は、監査院の監査に続く検察の原発捜査に対して、「検察が政府の重要政策にまで手をつけようとする深刻な検察権乱用行為だ」と、強く反発してきた。だから、検察改革をより強力に推し進めなければならず、検察権乱用を主導する尹錫烈(ユン・ソクヨル)検察総長は退くべきだと主張してきた。与党の認識は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が大統領選挙公約に掲げ、就任後、重要政策として推進した脱原発政策を、いわば「政治検察」が先頭に立って邪魔をしているということだ。

産業部公務員2人の拘束理由は、政府政策を遂行する過程で生産された重要文書を勝手に破棄し、監査院の監査を妨害する犯罪行為を犯しており、証拠隠滅の恐れがあるということだ。検察の捜査も、監査院が監査の過程で確認した文書破棄行為などを、捜査参考資料送付の形で事実上捜査依頼をしたことから始まった。一体、どんな内容が盛り込まれているので、休日の夜中に急いで大量に文書を破棄したのか、その背後に誰がいるのか調べて確認することは、監査院であれ検察であれ、司直機関としては当然の責務だ。

大統領の公約であれ重要政策であれ、法の枠内で適法に推進することがまさに法治だ。大統領選挙の勝利で国民の意思が盛り込まれた公約を履行する政府の重要政策だから、不法行為があっても少しも触れずに黙るべきだという認識こそ、政治権力が司法を覆おうとする法治破壊行為だ。与党は、「選出された権力である大統領の頭上に検察が立とうとする」と主張しているが、実際は法の上に権力が立とうとする時代錯誤的な認識だ。

さらに、与党の一部からは、裁判所の令状発給について「司法権濫用」という言葉まで出た。民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)議員は一昨日、フェイスブックに、「政権を窮地に追い込むための監査院、検察の行動に裁判所までが力を与えたことは誠に残念だ」とし、これを司法権乱用だと非難した。政権の意思に逆らえば、監査院であれ検察であれ、裁判所であれ、先に罵倒する典型的な敵味方の陣営論理だ。最近の民心離れは、民主化勢力を自任する与党がかえって民主主義の基本である法治に背を向ける行動から始まったのだ。しきりに検察捜査に背を向けようとするのではなく、政策の正当性と不法行為を区分できる、政権勢力らしい姿を見せなければならない。