新型コロナウイルスの染症拡大で航空旅行が難しくなったことを受け、航空会社各社が出した「無着陸観光飛行」が12日、国際線でもスタートする。
アシアナ航空と済州(チェジュ)航空は8日、無着陸観光飛行の初飛行を12日に開始すると発表した。無着陸観光飛行は、飛行機の離陸後、上空を旋回してから出発地に戻る方式で、「到着地のない飛行」とも呼ばれる。10月にアシアナ航空を皮切りに、済州航空、エア釜山(プサン)、ティーウェイ航空などが、韓半島のいたるところを飛ぶ国内線飛行で好評を博したのに続き、国際線の旅行商品まで発売したのだ。
7日から航空券の販売を始めたアシアナ航空はまず、超大型航空機「A380」で、12日、仁川(インチョン)国際空港を出発して釜山を経由し、日本九州中東部の宮崎と済州島を経て、仁川に戻る便を飛ばす。済州航空は、仁川空港から九州北部の福岡を旋回後、戻ってくる路線を発表した。済州航空の航空便は今月18、20、25、27、31日と来月2日にも飛行に出る。エア釜山は、今月中に似たような経路の運航を計画しており、大韓(テハン)航空も関連商品を検討している。
無着陸観光飛行は、一般の国際線の航空便と同じ出入国手続きを経ることになり、すべての搭乗者はパスポートを所持しなければならない。また、政府の先月の航空および免税業界活性化対策として、1人当たり年間600ドルまで(酒、タバコ、香水は別途基準)の免税品購入も可能だ。免税品の購入は、無着陸観光飛行の搭乗券を持って、一般の海外旅行客と同様に市内やオンライン免税店でできる。航空会社の免税品の販売は、機内販売なしに事前予約でのみ可能だ。空港では、一般国際線の乗客と動線が分離される。仁川空港に到着後、新型コロナの診断検査および自己隔離はしない。
国際線の無着陸観光飛行は、日本の九州地域まで可能になる見通しだ。政府方針によって、総飛行時間が2、3時間でなければならず、出発および到着地は仁川空港に制限されるからだ。航空や免税業界などでは、現在、国際線の定期便がほとんどない地方空港や地方免税店、地方商店街の再生のためにも、無着陸観光飛行だけは政府が仁川空港一本化の代わりに、地方空港に門戸を開くべきだという声が高まっている。
徐亨錫 skytree08@donga.com